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2008/02/04

貸出履歴の保存は資料破壊の抑止力たりえるか?

 貸出履歴の保存の話は,すっかりレコメンドサービスの方へ流れていましたが,そもそもの発端は2008年1月11日付朝日新聞の記事


図書館の貸し出し履歴、保存 東京・練馬区「利用マナー悪化、蔵書守る」

図書館で利用者のマナーが悪化し蔵書が破損するケースが増えているとして、東京都練馬区立の11図書館が今月から、本の貸し出し履歴を一定期間職員が参照できるシステムを導入した。

ここからでしたね.その後,いち早く練馬区立に対する意見を表明したのが【東京の図書館をもっとよくする会: 「練馬区立図書館貸し出し履歴保存」報道に関して】だったものですから,敢えてそちら側には首を突っ込まないようにしていたのですが,どうやらそうも言っていられなくなってきたようですので【参考:貸出履歴の話 - 図書館を読む】,取り急ぎ一言書いておきます.

 要するに,練馬区立図書館が貸出履歴を保存することによって目指したことは,資料破壊に対する抑止効果なんでしょう.いわゆる「核抑止論」とか「死刑存置による犯罪抑止論」みたいなものを,貸出履歴の保存に求めたというわけで,それは正直,貸出履歴の利用としては逸脱であると(図書館側がコントロールできる状態化に置かれていると意味も含めて)言わざるを得ないところだとは思いますよ.明示化されないルールを以ってモラルの向上を狙う,というのは全体主義国家のやるこった,という点では東京の図書館をもっとよくする会に左袒してもいいけど,正直なところ専門職問題を労働問題として捉えている団体が提示する,資料破壊への解決策が


本を貸すときには破損していない本を貸し、本が返されたときはその場で異常がないかチェックして受取るようにするという、原則的な窓口対応を行わなければならない。本は区民の財産である。破損していれば弁償してもらう。その当然のことができなければ、切抜きや書き込みは増えるばかりである。図書館が行わなければならないのは、窓口対応の能力を向上させることである。
というのは如何なものかと思う.何よりこの解決策,練馬区民を近代市民として全く信用していないことがバレバレじゃないですか(^^;).だって「その当然のことができなければ、切抜きや書き込みは増えるばかりである。」って書いちゃっているもの.ここで提示されている解決策のようなものは,公共図書館の夜警国家化の推進に他ならないことくらい,自分たちでわからなかったのかなあ?

 破壊行為に対する抑止効果をルールに担わせるならば,むしろ図書館を設置する根拠となっている条例を改正して「当図書館を利用する者において,図書館が所蔵する資料を故意に破壊し,また故意と過失とによらず資料を破壊しその行為を隠蔽しようとした者は,3か月以下の懲役または100万円以下の過料と処す」とでも条例に明記するのがせいぜいと違いますか? それを現場での対応でカバーしようという姿勢は一見麗しいものだけど,実際には自分たちが反対している石原慎太郎の方針とコインの裏表でしかない対応をやろうとしているにすぎないことくらいは,お願いだから弁えていただきたく.結局根っ子は都下の公務員という,同じ穴の狢なんですかね.

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