シェーンベルク/浄夜
シェーンベルク/「浄夜」作品4(絃楽合奏版)@ヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリン・フィル(DG:457 721-2)
1973年12月の録音.
カラヤン最高の遺産のひとつである,新ヴィーン楽派管絃楽曲集の1枚ですが,しかしそのカラヤンを以ってしても,僕にはシェーンベルクはいまひとつピンと来ない作曲家なのですね(^^;).何しろ好きなのは室内交響曲第1番と「モーゼとアロン」という,随分と両極端な方向の2作品くらいで,初期の「浄夜」「ペレアスとメリザンド」「グレの歌」など,どうもよくわからない.ましてや「ピエロ・リュネール」や「管絃楽のための変奏曲」はさっぱり,ということになります.
で,そのよくわからない「浄夜」を,カラヤンが全盛期のベルリン・フィルを完璧に練り上げて,官能的な演奏を繰り広げているこの録音.カラヤンという指揮者は,徹頭徹尾音楽の外側に立つことによって,逆に音楽の持つ内面を音楽自身により勝手に浮き上がらせようという戦略をとった指揮者ですが,ここでもその解釈は変わらず,それが却ってこの演奏の凄みを際立たせることになります.この手は,カラヤンくらいオケのアンサンブルを練り上げる才能のある指揮者でなければ出来ない芸当でしょう
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