ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第5番
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第5番変ホ長調作品73@エドウィン・フィッシャー&ヴィルヘルム・フルトヴェングラー/ベルリン・フィル(EMI/新星堂:SGR-7109)
1951年2月の録音.
言わずと知れた,いにしえの名盤(^^;).ここに流れるのは,この作品に相応しいゆったりした「時間」と,ベートーヴェンに対する解釈への揺るぎの無い「自信」である.恐らく何度も公開の場で演奏し,練習でも反復していたであろうが,全くマニエリスムに陥ることなく,音楽する歓びと古典的な造形が高度な次元で達成されている.フィッシャー(1886-1960)は「グランドマナー」という名の派手な演出をするピアニストではなく,また正確無比のテクニシャンでも無く,むしろ地味で音楽の内面に没頭してその良さを引き出すタイプの演奏家だったが,ここでもその点で変わるところは無い.ここでは,伴奏を付けているフルトヴェングラーが天衣無縫な振りをして,実は細心の注意を払うことも出来る指揮者だったが故に,フルトヴェングラーのスケールの大きさがほどよくフィッシャーの美点を際立たせることに成功している.
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