松平頼則/左舞(ナクソス:8.555882J)
2001年7月-8月の録音.今日は産経新聞【【コラム・断 片山杜秀】自国の音楽家の価値を知れ】こんなアジテーションを偶々見つけたので,今年が生誕100年と言う松平頼則(1907-2001)の作品を聴く(このアジそのものは,真っ当な論ではあるが,残念ながら報道機関に必要な「公正中立」を放棄した産経新聞に掲載されたということで,その価値にいささか傷がついているのが惜しい.ついでに言えば,日本人作曲家の価値を文章で伝えきれない批評家の,責任が皆無であると言えるのかどうか).松平は1950年代半ばに前衛に転じ,このCDに聴く限り「日本のヴァレーズ」とも形容できそうな作品群を書き続けた作曲家.この作品も管絃楽曲であるとはいえ,日本の雅楽の伝統の上にヴェーベルンを載せたような作品で,静謐な中に不意に叩かれる打楽器の一打ちが非常な意味を持って来るような音楽に仕上がっている.
10年ほど前だったか,親友のお誘いを受けて上野の奏楽堂へ,3時間を越える日本の戦後クラシック音楽の流れを俯瞰する演奏会を聴きに行ったことがある.そのとき,ある意味最もリスペクトされていたのは松平頼則だったと記憶する.解説を担当していた林光が「今日演奏する作品の中で,一番大きな編成の作品」が松平のものであること,またそれが当時今だ現役であった松平への敬意の表出であることを話していた(余談ながら,最初この演奏会の企画を立案したのは黛敏郎だったのが,彼が演奏会の数ヶ月前に死去したのを受けて林光が解説を代わったと,林自身が当日語っていたっけ.考えてみれば右から左への急旋回であったなと,今にして思う(^^;)).
話は違うけど,前のものよりは読み易い(?)テンプレをココログで拾ってきました.萌え系じゃないけど(^^;).
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