シュトックハウゼン/グルッペン
シュトックハウゼン/3群のオーケストラのための「グルッペン」作品第6番@クラウディオ・アバド/ベルリン・フィル(DG:POCG-30137)
1994年12月の録音.
毎日新聞【訃報:カールハインツ・シュトックハウゼンさん 79歳 死去=電子音楽の先駆者】
シュトックハウゼン(1928-2007)が「少年の歌」という「電子音楽」(このジャンルを「ミュージック・コンクレート」と言う)を世に送り出したことはよく知られていると思うけど,では実際に「少年の歌」を聴いたことのあるひとって,何人くらいいるんだろう,というくらいの話で(^^;).ウチも探せばNHK-FMでオンエアしたときのエアチェックが出て来ると思うけど,それをわざわざ探し出して聴くほどの「名曲」ではないんだよね,あれは.技法とそれを支える思考法が当時としては新しかっただけで,音楽自体の魅力には少々乏しいし,「ミュージック・コンクレート」自体も楽器の発達によるサンプリング技術の多様化と一般化のために,すっかり拡散し過去のものになってしまった感があります.そもそも,音色の魅力に乏しいのがミュージック・コンクレートをはじめとする「電子音楽」の致命傷で,日本における冨田勲とYMO(とテクノポップ)がそれらを易々と乗り越えていってしまいましたとさ.
だから,僕にはこの「グルッペン」のように「音色の衝突」を楽しめる音楽の方が,よほど面白いのですよ.いわゆるセリー技法を用いた作品でも後々まで残るのは,技法云々よりもまず楽しめる「音」が聴こえてくるかどうかなんじゃないかと,勝手に思っているわけですが,さてどういうものでしょうか?
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