2022年11月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

コメント・トラックバックの取り扱いについて

  • コメント・トラックバックをお寄せいただき,ありがとうございます.blog主が確認ののち,公開されますのでしばらくの間,お待ちいただくことがありますがご了承ください.当blogに無関係な内容のコメント・トラックバックはblog主の判断で削除されるものもあります.

「貸出至上主義者」度チェックβ版

ココログ


ほし2

« 2007年11月 | トップページ | 2008年1月 »

2007年12月の記事

2007/12/31

マーラー/交響曲第10番

マーラー/交響曲第10番嬰ヘ長調(デリック・クックによる補筆版)@クルト・ザンデルリンク/ベルリン交響楽団(ドイツ・シャルプラッテン:32TC-72)

 1979年11月,12月の録音.
 ザンデルリンク(1912-)はイギリスのオケにもよく客演していたので,第10番のクック版についてはいろいろと情報を得ていたようで,1979年という第10番の受容史の中ではかなり早い時期に録音を敢行している.オーケストレーションのあちらこちらに,かなりザンデルリンクが手を入れており,打楽器陣が盛大に補強されている箇所もあるが,全体としてはさほど厚みの無い音響を逆手にとって,厳しくも美しい音楽の構築に成功している.終楽章の美しさなど,絶品である.

 2007年には,この曲を聴きながらお別れ.ご理解とご協力をいただいたみなさま,ここを読んでくれたみなさまに厚く厚く御礼申し上げます.ご迷惑をかけた方は,ゴメンなさい.来る2008年が,みなさまにとって良い年になりますように.

2007/12/30

シューベルト/交響曲ハ長調D.944

シューベルト/交響曲ハ長調D.944(第9番)@ジョス・ファン・インマゼール/アニマ・エテルナ(ソニークラシカル:SRCR1980)

 1997年1月の録音.
 スケルツォの「削除された4小節」が「復元」されているベーレンライター原典版での録音である.第2楽章のリズムは「復元」されていない.この「復元」については,以前にも当blogで触れたような気もするが,とにかく手元にある情報は錯綜しまくっていて収拾が付かない(^^;).発見者ローベルト・シューマンによる削除or加筆,初演者メンデルスゾーンによる削除or加筆,楽譜の校訂者ブラームスによる削除or修正,作曲者自身による生前の修正と,少なくともこれらの可能性が取り沙汰されている有様.自筆総譜のファクシミリでも出版されれば,問題が一気に片付くような気もするが,何しろ自筆総譜を見ても「アクセント」と「デクレシェンド」の区別が付かないことで有名な(?)シューベルトの自筆であるから,果たして自筆総譜を学者が見ても,やっぱり意見が割れそうな雲行きではある.

 それはそれとして,この演奏は古楽派の演奏としては割と陽気(^^;).ティンパニの強打が思いのほか,強烈である.

2007/12/29

デグチャリョフ/クリスマス協奏曲

デグチャリョフ/クリスマス協奏曲(スコベレフ編曲)@ロシア国立交響楽団の金管低音セクション(パロウシェ・ムジカリエン:PM301)

 1993年(?)の録音.4分ほどの小品.この録音では,元は恐らく合奏協奏曲(風)だったものを,3本のトロンボーンと1本のテューバのために編曲された版で演奏している.
 ステパン・デグチャリョフ(Stepan Degtyaryov,1766-1813)はクルスク地方出身の作曲家.シェレメチェフ伯の合唱団に属した後,かなり遅くなってからジュゼッペ・サルティ(1729-1802)に作曲を学んだ.大作のオラトリオなども残しているが,彼の作品は,古典的な形式のロシアの教会協奏曲の影響を受けているとされるようだ.僕が聴く限りでは,作風や作品に特別な特徴を見出すことは少々難しい.

2007/12/28

RVW/最初のクリスマス

ヴォーン・ウィリアムズ/「最初のクリスマス:キリストの降誕劇」@リチャード・ヒコックス/シティ・オブ・ロンドン・シンフォニア(シャンドス:CHAN10385)

 2005年12月の録音.
 RVW(1872-1958)最晩年の作品(最後の作品?).シモーネ・パケナムによって改作された中世の祝祭劇に音楽をつけたもので,中には誰でも知っているような音楽-“On Christmas Night”“The Merry Carol”など-がRVWの編曲で取り入れられている.一部は作曲家の死去(1958年8月26日)のため未完に終わり,ロイ・ダグラスが残されたスケッチからオーケストレーションを完成させた.

 この作品,音楽を聴いている約30分という時間の間,まったく,浮世のくさぐさなど忘れてしまいたくなる,珠玉の名品である.日本人にしてみれば,クリスマスは異教徒のお祭りで単なる「商戦」のきっかけのひとつなのかもしれないけれども,この作品のような音楽まで「消費」の対象にしてしまうのは願い下げである.

2007/12/27

J.S.バッハ/クリスマス・オラトリオ第3部

J.S.バッハ/クリスマス・オラトリオBWV248第3部「天を統べたもう君よ」@ルネ・ヤーコプス/ベルリン古楽アカデミー(ハルモニア・ムンディ・フランス:HMX2951630/2951631)

 1997年1月の録音.
 降誕節第3日目(12月27日)のための作品.またまたティンパニとトランペットが活躍する壮麗な音楽で開始するのは,降誕節第1日のための第1部に対応してのことで,降誕祭の最初の3日間を祝う「クリスマス・オラトリオ」全6部の前半を締めくくる役割をになう.全体的に,神への感謝に彩られた音楽であるように感じられる.
 ヤーコプスの演奏は真摯で敬虔なものであり,同時に温かみを忘れない.

 ちなみに当方,クリスチャンでも何でもない一介の仏教徒(タオイストを名乗るには,ちと修行が足りない).しかし,どのような宗教であれ(現世利益につながらない)「安息」と「敬虔な祈り」の前には,ひざまづき敬意を捧げるものである.

当blogの歴史概説(不完全版)

 【図書館系ブロガーの皆さん、御協力お願いしますm(_ _)m - かたつむりは電子図書館の夢をみるか】を受け,【簡単な日記(2007-12-26)】や【日々記―へっぽこライブラリアンの日常―: 図書館系ブログの話】も読みましたので,取り敢えず自分のことも少しまとめてみますか.

 調べてみたら,当blogの最初のエントリーは2004年6月10日の【愚智提衡而立治之至也: ココログはじめました】.blogに移行する前は,htmlで(と言うよりはWordで書いた文書をhtmlで保存したものを,更にホームページビルダーで加工してホームページに置いていた)書いていた覚書がありました.そもそもホームページは2001年1月に開設したのち,ある一件で図問研とトラブって(^^;)ホームページの内容そのものを仕切りなおしたのが同年6月.それから約1年ごとに「紅旗征戎非我事」「読無字書弾無絃琴」「愚智提衡而立治之至也」と覚書にタイトルを付けながら書いてきたものを,そのままblogに引き継いで現在に至っています.だから,ホントはそろそろblogのタイトルを替えたいのですが,ある書籍にもこの読めないタイトルが引かれてしまっているので,今更替えるわけにもいかずそのままにしています.なお,「読無字書弾無絃琴」は「はてな」に作った別館にタイトルのみ引き継がせました.

 blogに移行した理由は,当人はすっかり忘れていました(^^;)が↑のエントリーに書いてありますね.あのころ僕が読んでいたblogは【日々記―へっぽこライブラリアンの日常―: 図書館系ブログの話】に出て来る方々とほぼダブっています.他には初期(?)egamidayや読書日記が既に始まっていたと記憶してます.

 さて,いろいろな自分の趣味を取り扱う中で「図書館」についても書いていく,という現在も続けているスタイルは,覚書を書き始めた当初からのやり方です.他との差別化を計ったわけではなく,「図書館」のことだけを書いていると間違いなく枯渇するな,と思ったのと,学生時代から図書館司書に投げかけられていた「視野の狭い専門職」という侮蔑(就職後,リアルでその手の侮蔑に出会うとは思いもよりませんでしたよ)に抵抗する(^^;)ことが目的です(音楽のことは図書館のことよりも,今でも書きやすいですし,当初は買い物リストも載せてましたね).だから,自分のところが「図書館系サイト」「図書館系ブログ」のひとつとして認知されていると知ったときは,意外に思われるかもしれませんが却ってびっくりしたものです.自分では業界内の人間としてというよりは,務めて業界外の目で図書館を眺めるように努力してきたつもりだったので.
 そうそう,図書館系ブログのリンク集としては【図書館へ行こう!】のリンク集も挙げておかなければならないでしょう.

 ときに,これは図書館系ブログの歴史と直接関係はありませんが,2001年9月11日の同時多発テロ発生以来,図書館員の役割としての「災害時の情報の収集と提供」ということは強く意識しています.既に持ちこたえられずに削除してしまいましたが,僕は当時911に関する(最終的には)40MB近い重さのリンク集を作りましたし,その後も災害の発生時に図書館にも被害がありそうなときは務めて情報の収集と提供を心がけてきました.これには個人blogなので限界があったとは言え,日図協や図問研が手がけようともしなかったことをやってきたんじゃないかなあ,とは思っています.

 あとは図書館系ブログにおける「論争史」について,当事者として何か書かなければいけないのでしょうが,このあたりは未だ生乾きの箇所もありますし,ここで下手を打つと図書館断想のポストモダンな言説にしてやられる可能性が大ですので(敵わないよなあ,あれには),これは【愚智提衡而立治之至也: 近頃,公共図書館について発言されているブロガー,ブックマーカーの皆さんに感謝を(加筆訂正版)】で述べたように「感謝を」繰り返し述べることで,責務に替えさせてください.

 さて,トラックバックをちゃんと打ってくださいよ>>ココログさん.

九仞の功を一簣に虧く

 ようやく時間ができたので,溜まっていた雑誌を一気に読んでいるところですが,「ず・ぼん」13号(2007年11月)に掲載された『図書館戦争』の作家と編集部諸氏との「スペシャルインタビュー」と称する対談は,酷いシロモノでしたね.【ぶらぶらライブラリアン - ストーカー!されていた『図書館戦争』批判の顛末】が触れている,『図書館戦争』批判【ぶらぶらライブラリアン - 図書館戦争】から始まった一件ですが,左翼系と称する「ず・ぼん」の編集部諸氏は,『図書館戦争』の作家と出版社が企てた言論弾圧には,全く気がつかなかったかの如く対談を行い,「ず・ぼん」に堂々と顛末を掲載しているのだから,誠に以って無邪気と言うか,罪が無いと言うか,それでよくも「左翼系」が名乗れるものだと,心の底から呆れ返りましたよ.ある編集子に至っては「あんなものは放っておけばええんやけど」と嘯く始末.ああ,なるほどオルテガ・イ・ガセットが『大衆の反逆』で指摘した“「専門主義」の野蛮性”とはこのことであったかと,あなた方が僕に納得させてどうするんですか?

 この「スペシャルインタビュー」のゲラ読んだときに,ポット出版の沢辺氏をはじめとして,誰も公共図書館業界が言論弾圧に加担する結果になることに気がつかなかったのかどうか.もし本当に誰も気がついていなかったのだとしたら,これは図書館業界人としても,出版人としても,『図書館戦争』の人気に目が眩んだか,作家と出版社に媚を売ったのか,それともそもそも左翼系図書館業界人という方々がスターリン時代のソヴェト共産党員程度の人間の集まりなのか(日図協への協力を拒絶したという作家が全国大会に出かけていった図問研も含めて),真相はよくわかりませんが,とにかく「スペシャルインタビュー」関係者の「言論の自由」に対する知性と教養を疑わせるには充分な記事であり,出来事であったとは言えるでしょう.

 「ず・ぼん」13号の他の記事がすこぶる充実した良い内容であっただけに,この「スペシャルインタビュー」が故に,13号そのものの出来が九仞の功を一簣に虧く結果になったことが残念です.


 ちなみに,僕は『図書館戦争』5ページも読めずに放り出したことを書いておきましょうか.「たかがラノベ」とは思ってませんが,20年以上前の高校時代にカフカもカミュもトーマス・マンもパスカルも読んでいた人間には不向きな小説だったのでしょう.周囲にも批判的に評価している同業者が何人もいましたしね.

2007/12/26

SBMファインダー:進捗状況(と書くのも情けない)

 取り敢えず今日で年内の開館は終わり(残りは大掃除と仕事納め)となりまして,多少なりとも余裕が出来ましたので,少しは「図書館系ブログ」らしいネタを,年末に何本か書いておこうかと思います.最近ほとんど図書館のことを書いてないのに,昔のエントリーのおかげで現在もなお「図書館系ブログ」カテゴリーに入れていただいていることでもありますし(【図書館系ブロガーの皆さん、御協力お願いしますm(_ _)m - かたつむりは電子図書館の夢をみるか】).

 で,↑でも話題にしていただいた「SBMによるパスファインダー」の件ですが,取り敢えず試験的にサーバ立てて実装できるかどうか試してみることにはなっております.実際に現在,図書館サイトとwebOPACを動かしているサーバにScuttleを入れることを,何故かサーバをメンテしてくれている業者さんが嫌がってまして,サーバのMySQLも触らせてくれないのですよ(やっぱり金ぶんどってこないとダメか(^^;)).妥協案でWindows XP Professional Editionで動いているノートを使って別にサーバを立てる方向で準備中なのですが,サーバ仕様にしてMySQLとphpを動かせるようにしてもらうために貸し出した,そのノートが先週から帰ってこない,という状況です.

 まったく,手順書は書いてもらって,自分でMySQLなどの準備もすることにしておけば(-_-;).一応,試験稼動の目標は来年の2月あたりに置いていたので,来年のセンター試験のころにサーバをいじくれればいいか,とは考えておりますが.今回の企画書は,文章としては詰めていますけど,そうこうしているうちに,誰か/何処かに先を越されてしまうかも(^^;).技術的には恐らく,とても簡単なことだと思うので.

J.S.バッハ/クリスマス・オラトリオ第2部

J.S.バッハ/クリスマス・オラトリオBWV248第2部「このあたりに羊飼いおりて」@ルネ・ヤーコプス/ベルリン古楽アカデミー(ハルモニア・ムンディ・フランス:HMX2951630/2951631)

 1997年1月の録音.
 第2部は降誕節第2日目(12月26日)のための音楽である.「ルカ福音書」による,野宿する羊飼いへ天使がイエスの誕生を告知する話が取り上げられる.クリスマスによく聴かれる,かの「パストラーレ」で始まる穏やかな曲調は,福音書記者のレチタティーヴォによって破られ,「マタイ受難曲」のコラールに似た雰囲気のコラールが導入される.そして羊飼いたちは天使の歌声に導かれ幼な子イエスの元へ向かうことになる.
 ヤーコプスの演奏は,もちろんここでも真摯でありながらも,バッハの音楽を身近に感じさせる雰囲気をたやさない.

2007/12/25

J.S.バッハ/クリスマス・オラトリオ第1部

J.S.バッハ/クリスマス・オラトリオBWV248から第1部「歓呼の声を放て,喜び踊れ」@ルネ・ヤーコプス/ベルリン古楽アカデミー(ハルモニア・ムンディ・フランス:HMX2951630/2951631)

 1997年1月録音.
 とにかく,壮麗で喜びに満ち溢れた名曲.第1曲のティンパニと金管の掛け合いが,何とも愉快で楽しい.キビキビしたヤーコプスの演奏が,快調なテンポで音楽をすすめていくのが,曲調にふさわしく,またイエス誕生の喜びを奏でる音楽にハマッている.もう,あまりくどくどと何かを述べることは,今日は差し控えよう.

 みなさまも,よきクリスマスを.

2007/12/24

シュッツ/クリスマスの物語

シュッツ/「神と聖母マリアの御子イエス・キリストの喜ばしき慈悲深い出生の物語」SWV435@ルネ・ヤーコプス/コンチェルト・ヴォカーレ(ハルモニア・ムンディ・フランス:HMX2971310)

 1989年9月の録音.
 後世「ドイツ音楽の父」と讃えられるハインリヒ・シュッツ(1585-1672)の「クリスマス・オラトリオ」である.「ルカ福音書」と「マタイ福音書」から歌詞がとられ,エヴァンゲリストのレチタティーヴォにより物語が進められていきながら,精彩に富んだ音楽が繰り広げられていく.1660年代の終わりにドレスデンで演奏されたというが,とても30年戦争を経た後での苦難の日々から生み出された晩年の音楽とは思えない,楽しげで生き生きとした若々しい表情を聴かせる.「円熟」と呼ぶに相応しい傑作.
 ヤーコプスの演奏は,言うまでもなく優れたもの.厳しさよりも,イエスの生誕を祝する華やいだ雰囲気を醸し出すことに成功している.

2007/12/23

ルロイ・アンダーソン/そり滑り

ルロイ・アンダーソン/「そり滑り」@ルロイ・アンダーソン/管絃楽団(MCA:HVCE-30033/30034)

 1959年5月のステレオ録音.昔のUSAのライト・オーケストラの録音よろしく,ちょっと金管が甲高い感はあるが,充分聴くに堪える録音である.
 日本でも立派なクリスマスの定番曲だが面白いもので,この録音,他の誰の演奏よりも速い(^^;).例えば,アーサー・フィードラー/ボストン・ポップス(DG盤)よりも約20秒は速い.特に冒頭が咳き込むように速く始まるのは,何かの意図があってのものなのかどうか?

2007/12/22

M.A.シャルパンティエ/パストラーレ・ド・ノエル

マルカントワーヌ・シャルパンティエ/「我らが主イエス・キリスト降誕のパストラーレ」H.483@ウィリアム・クリスティ/レザール・フロリサン(ハルモニア・ムンディ・フランス:HMX2971082)

 1981年5月の録音.
 マルカントワーヌ・シャルパンティエ(1643?-1704)は生前,ルイ14世の寵臣であったジャン・バティスト・リュリ(1632-1687)の権勢の陰に隠れた存在になってしまい,その若い頃の履歴には現在でも不明な点が多いとされる.1670年ごろからギーズ大公妃のもとで歌手兼楽長として仕えたあたりからの公的な履歴は,ほぼ確実な記録が存在するようだが,当人の私的な逸話となるとさっぱりで,リュリのような派手な私生活をおくることはなく,その残した音楽のように,謹厳とまではいかずとも実直で,素朴なものを信じて美しく生きた人であったようである.残された作品は550曲余りあり,そのうちの400曲は宗教音楽だと言う.
 このH.483は,有名な「真夜中のミサ」H.9とはまた別の,クリスマスを祝う作品.英文のライナーノートをきちんと読んでないので詳細はよくわからないが,とにかくシャルパンティエらしい,素朴でひそやかな美しさをたたえた名曲だと思う.

2007/12/21

A White Album@Akiko

A White Album@Akiko(ユニバーサル:UCCJ-9088)

 とってもゴキゲンなクリスマス・アルバム.全12曲で初回盤は「豪華紙プレス仕様」このままクリスマス・カードとして使えそうな,オシャレな装丁のものです.  実は,クリスマス・アルバムはクラシックなものより,ジャズ系やポップス系のアレンジの方が好きなので,こーゆうゴキゲンなアレンジは聴いていて,とても心地よいですね(^^;).

 このアルバムを聴いた皆様に,幸せなひと時が訪れることを願って.

続きを読む "A White Album@Akiko" »

2007/12/20

JOY TO THE WORLD@エンパイア・ブラス

JOY TO THE WORLD@エンパイア・ブラス(EMI:0946 3 31538 2 0)

 1988年5月の録音.
 「Joy to the World(もろびとこぞりて)」はじめ,金管合奏用にアレンジされたクリスマス・キャロルが17曲収録されたアルバム.クリスマスは異国の風習だ,だの何のといろいろ言う方もおられるでしょうが,少なくとも,斯様な楽しい音楽を聴かせてくれるクリスマスが,僕は大好きですよ(^^;).もちろん,J.S.バッハやシュッツやプレトリウスのような敬虔な祈りも大切なものですが,理屈抜きでクリスマス休暇(?)を楽しめる余裕があってもいいじゃないですか.
 今年も1年,お疲れさまでした! 「図書館」をめぐる議論は議論として,人生は楽しみましょ(^^;).誰かさんみたいな,ストイックな殉教者を気取った欺瞞(自分のエントリーを論敵の主張に合わせて後日改竄するが如き)はゴメンだね.

2007/12/19

辛島美登里/サイレント・イヴ

辛島美登里/サイレント・イヴ(ファンハウス:FHCF-1112)

 1990年発表.アルバム「GREEN」に収録(上記型番はアルバム初出).
 これは近所のブックオフで,安価で入手したCD.正直なところ,辛島美登里はこの作品でブレイクする前のアルバムを何枚か賢弟が持っていたから知っているようなもので(黒歴史であるらしいアニメの主題歌の入った奴とか持っていたな(^^;)),特にこの曲にも思い入れのようなものは,僕は持ち合わせていない.とは言うものの,彼女の声は綺麗だし(特に澄んだ高音),曲もいい曲だとは思うのよ(^^;).

2007/12/18

コレッリ/合奏協奏曲作品6の8

コレッリ/合奏協奏曲ト短調作品6の8「クリスマス協奏曲」@トレヴァー・ピノック/イングリッシュ・コンサート(アルヒーフ:POCA-2151/2152)

 1987年3月,4月の録音.
 いわゆる,世界で最初の「合奏協奏曲(concerto grosso)」集であるアルカンジェロ・コレッリ(1653-1713)の「作品6」の中でも,よく知られた作品.「クリスマス協奏曲」と呼ばれるのは,この作品が終曲に他の楽章より長大な「パストラーレ」を置いているからである.「パストラーレ(田園曲)」とはイエスが生まれたとき,貧しい羊飼いが突如降臨した大天使から「救世主」が生まれたことを教えられて,馬小屋に眠る幼な子イエスを礼拝しに出向いた挿話(「ルカ福音書」によるのかな?)から,いにしえの羊飼いが奏でた音楽を模した音楽をそのように呼ぶ.バロック音楽の時代までは,クリスマスの前の晩(即ちクリスマス・イヴ)に「パストラーレ」を演奏する慣習があったらしい.
 合奏協奏曲に「パストラーレ」を挿入する楽章構成は,その後トレッリ,マンフレディーニ,ヴィヴァルディなどが継承している.

 個人的には,ピノックの演奏するこのコレッリを聴いていると何となく「喜ばしき智識」という言葉を連想してしまうのだが,肩の力の抜けた,いい演奏だと思う.

2007/12/17

A CHARLIE BROWN CHRISTMAS

A CHARLIE BROWN CHRISTMAS@ヴィンス・グァラルディ・トリオ(ファンタジー:FCD-8341-2)

 CBSテレビで放映されたクリスマス・スペシャルのオリジナル・サウンド・トラックである.そのため,オリジナル以外にクリスマス・ナンバーを含む構成をとる.中に何故か「エリーゼのために」が入っているのは,劇中でシュレーダーが弾いたに違いない(^^;).
 先日コーヒーを飲むのに立ち寄ったスターバックスでも,(恐らく)ジョージ・ウィンストンによるカバーが店内にかかっていたが,ヴィンス・グァラルディ(1928-1976)による「ピーナツ」のアニメーションへのBGMは,“Linus and Lucy”“Skating”など,それ単独でも聴くに堪えうるゴキゲンなナンバー.

 NHKで最初に放映したときの谷啓がチャーリー・ブラウンで,うつみ宮土理がルーシーだった版がもう一度見たいな.

2007/12/16

リスト/クリスマスツリー

リスト/クリスマスツリー(S186,R71)@エトレイ・アンジャパリジェ(ナクソス:8.553461)

 1995年6月の録音.
 この作品,原題は「Weihnachtbaum」で直訳すると確かに「クリスマスツリー」(^^;).1874年から1876年にかけて孫のダニエラ・フォン・ビューロー(ハンス・フォン・ビューローとコジマの娘)のために作曲された.ピアノ・ソロ(S186)と連弾(S613)のための版が出版されている.全体は12曲からなり,クリスマス・キャロルをアレンジした曲を含む,作曲の動機や主題にふさわしい平易な作品である(ように聴こえるが,実際に弾くとどうなのだろう(^^;)?).何故か,終曲の「ポーランド風」だけが,どうも他の曲とかけはなれて華やかで,何処かで聴いたようなモチーフをふんだんに聴かせてくれる.それにしても,この「たんかたんたん,たんかたんたん,たんかたんたん,たんたたん♪」というフレーズはポーランド生まれのショパンではなく,シューマンの「謝肉祭」か何かに出て来るフレーズだったような気がするのだが?

2007/12/15

J.S.バッハ/主よ,人の望みの歓びよ

J.S.バッハ/カンタータ第147番「心と口と行いと生きざまもて」からコラール「主よ,人の望みの歓びよ」(マイラ・ヘス編曲)@高橋悠治(DG:POCG-6100)

 1975年7月録音.
 日本における現代音楽の旗手のひとりであり,すぐれたピアニストでもある高橋悠治(1938-)による「Yuji Plays Bach」に収録されているもの.他の弾き手による同じ曲の演奏に比べて,どこか劇的なのが如何にも高橋悠治らしい,という印象が僕にはあるのだが,さて間違いかどうか(^^;)? マイラ・ヘス(1890-1963)が第二次大戦時,ドイツ空軍によるロンドン空襲の最中,この曲を演奏してロンドンっ子を鼓舞し続けたというのは有名な逸話だが,高橋の演奏には微かにその匂いが残っているような気もする.
 なお,この曲に限らず「Yuji Plays Bach」にはブゾーニやケンプによる編曲のすぐれた演奏が収録されているので,見つけた方は是非ご購入をm(_ _)m

2007/12/14

ミヒャエル・プレトリウス/クリスマスの朝のためのミサ

ミヒャエル・プレトリウス/クリスマスの朝のためのルター派ミサ@ポール・マクリーシュ/ガブリエル・コンソート&プレイヤーズ(アルヒーフ:439 250-2)

 1993年10月の録音.
 ミヒャエル・プレトリウス(1571?-1621)は音楽家一族だったプレトリウス家のひとりで,恐らくプレトリウス一族の中でもっとも有名な作曲家であり,音楽理論の大家でもあった.主にオルガニストとして各地の宮廷に仕える傍ら,プロテスタント(ルター派)のための賛美歌やミサ曲を作曲した.舞曲集「テレプシコーレ」のような作品も残している.
 この作品は,1620年ごろのルター派による真夜中のクリスマスの祝祭で演奏されたと推定されているミサ曲である.80分近い大作であるものの,なかなか変化に富んでいて聴くものを飽きさせない,すぐれた音楽であり,また演奏である.

2007/12/13

SBMによるパスファインダー:続

 【愚智提衡而立治之至也: SBMを図書館が運営し・・・・・・】に関して,あちこちからアドヴァイス,サジェスチョン,激励をいただきまして恐縮です.ありがとうございます.

 みなさまのご教示により,取り敢えず,ソーシャルブックマークのオープンソースであるScuttleを利用して何か出来るかしら,というところまで考えが辿り着きました.pliggというのも教えてもらったのですが,こちらは投票機能が付いているのが僕にはちょっとお邪魔かな,ということで今回はパス.で,時間のあるときに,サーバにダウンロードしてインストールし動かせたらいいなあ,と.サーバを破壊しないように,内部の専門家に話を聞きながら,ということになりそうですが.

 さて,如何相成りますやら.ドキドキものです.もっとも,何時インストールする時間が取れるのかもわからないのに,やる前から緊張してどうするんですか(^^;)?>>わたし.

「商議会」なる名称の意味

 そうそう,「商議会」と言うときの「商」の字には「あきない」の意味は無く,「はかる」とか「明らかにする」の意味なんだと,『広辞苑』第5版と『大漢和辞典』が申しておりました(^^;).「商議」とは「互いに相談する」という意味だそうで.
 第一次大戦前に「三国同盟」と「三国協商」の対立,と言われるものがあったと習ったけど,「協商」という言葉には商業的な相互協力,の意味も無いそうですよ.と言うか,実は「図書館商議会」に商業的な意味があるのかいな,と考えたときに「三国協商」が頭をよぎったのが,そもそも調べてみようかと思った動機だったりします.

 だからどうした,と言われても困りますが(^^;),表意文字は難しいですねえ,と言うことで.

クリスマス・メロディーズ@加羽沢美濃

クリスマス・メロディーズ@加羽沢美濃(デンオン:COCO-80695)

 1997年7月の録音.
 誰でも知ってるクリスマス・ソングをピアニスト自身が編曲して演奏しているモノ.「きよしこの夜」や「赤鼻のトナカイ」「ホワイト・クリスマス」に混ざって「遠い街のどこかで・・・」(中山美穂)や「クリスマス・キャロルの頃には」(稲垣潤一)が混ざっているのがミソ(^^;).エレピのような軽い音で奏でられる,絶世の美女よりは近所のかわいい高校生を見るような安心感を覚えるほのぼのした編曲と演奏が,何やらこの年末進行のあわただしさの中でギスギスしがちな心をなぐさめてくれる(sigh).

2007/12/12

ヘンデル/メサイア

ヘンデル/オラトリオ「メサイア」HWV56@トーマス・ビーチャム/ロイヤル・フィル(BMG:09026-61266-2)

 1959年録音.
 「メサイア」の数ある録音の中では,まず珍盤の部類に入るのであろう抱腹絶倒の名演である(^^;).ビーチャムが,スキャンダル(空港でポルノ雑誌を差し押さえられたという,今なら笑って済まされてもおかしくない程度の話)で逼塞を余儀なくされた指揮者・作曲家で友人のユージン・グーセンス(1893-1962)に依頼して「メサイア」を近代管絃楽のために編曲した版を使用しての録音.その依頼は尾羽打ち枯らした友人への温情であったと伝えられる.
 とにかく,素晴らしく派手(^^;).ビーチャムの指揮がアンサンブルを引き締めないユルユルなものなので,却って派手さが引き立つという不思議な演奏である.冗談はともかく,とにかくド派手な「ハレルヤ・コーラス」だけでも聴く価値はあるので,レコード屋で見かけたら買ってください.

2007/12/11

ルロイ・アンダーソン/クリスマス・フェスティヴァル

ルロイ・アンダーソン/クリスマス・フェスティヴァル@アーサー・フィードラー/ボストン・ポップス・オーケストラ(DG:POCG-2191)

 1970年録音.
 ボストン・ポップスのクリスマス・コンサートのためにルロイ・アンダーソン(1908-1975)が有名なクリスマス・キャロルを9曲メドレーでオーケストレーションした作品.如何にもUSAらしい,華やかなクリスマスにふさわしい華麗な編曲である.アーサー・フィードラーとボストン・ポップスの演奏は,音楽が完全に手の内に入った,リラックスした雰囲気でこれまた音楽にふさわしい仕上がりである.
 こーゆう音楽をとやかく批評するのは野暮であったか(^^;).

2007/12/10

ルトスワフスキ/20のポーランドのクリスマス・キャロル

ルトスワフスキ/20のポーランドのクリスマス・キャロル@アントニ・ヴィット/ポーランド国立放送カトヴィツェ交響楽団(ナクソス:8.555994)

 2001年12月の録音.
 この作品はルトスワフスキ(1913-1994)が1946年に集めたもので,最初はソロ・ヴォーカルとピアノのための編曲がなされて1947年に初演された.その後,幾つかの編曲版が作られて,いまここに聴けるのは1990年12月にエディンバラで初演されたソプラノ独唱,合唱と管絃楽のための編曲である.
 ルトスワフスキの根っ子は,このあたりだったんだろうな,と思わせる素朴でロマンティックな音楽で,その後の「ポーランド現代音楽の長老」となったルトスワフスキの片鱗がうかがわれるような作品ではない(^^;).日本なら,さしずめ柴田南雄あたりが該当するような音楽性だろうか.

2007/12/09

シュトックハウゼン/グルッペン

シュトックハウゼン/3群のオーケストラのための「グルッペン」作品第6番@クラウディオ・アバド/ベルリン・フィル(DG:POCG-30137)

 1994年12月の録音.

 毎日新聞【訃報:カールハインツ・シュトックハウゼンさん 79歳 死去=電子音楽の先駆者

 シュトックハウゼン(1928-2007)が「少年の歌」という「電子音楽」(このジャンルを「ミュージック・コンクレート」と言う)を世に送り出したことはよく知られていると思うけど,では実際に「少年の歌」を聴いたことのあるひとって,何人くらいいるんだろう,というくらいの話で(^^;).ウチも探せばNHK-FMでオンエアしたときのエアチェックが出て来ると思うけど,それをわざわざ探し出して聴くほどの「名曲」ではないんだよね,あれは.技法とそれを支える思考法が当時としては新しかっただけで,音楽自体の魅力には少々乏しいし,「ミュージック・コンクレート」自体も楽器の発達によるサンプリング技術の多様化と一般化のために,すっかり拡散し過去のものになってしまった感があります.そもそも,音色の魅力に乏しいのがミュージック・コンクレートをはじめとする「電子音楽」の致命傷で,日本における冨田勲とYMO(とテクノポップ)がそれらを易々と乗り越えていってしまいましたとさ.

 だから,僕にはこの「グルッペン」のように「音色の衝突」を楽しめる音楽の方が,よほど面白いのですよ.いわゆるセリー技法を用いた作品でも後々まで残るのは,技法云々よりもまず楽しめる「音」が聴こえてくるかどうかなんじゃないかと,勝手に思っているわけですが,さてどういうものでしょうか?

2007/12/08

ショスタコーヴィチ/交響曲第15番

ショスタコーヴィチ/交響曲第15番イ長調作品141@クルト・ザンデルリンク/ベルリン交響楽団(ドイツ・シャルプラッテン:TKCC-15036)

 実相寺昭雄監督が亡くなって早1年.
 最近読んだ,とある雑誌に載っていた,飯島敏宏(「金曜日の妻たちへ」のプロデューサー)と原知佐子(女優)の対談で,実相寺昭雄監督が亡くなる直前,ショスタコーヴィチの交響曲を聴いていたというエピソードが出て来る.この話,別な雑誌で読んだ石堂淑朗(音楽評論も手がけた脚本家)のエッセイにも出て来たような記憶がある.石堂は「ブラームスじゃなかったのか,いつから実相寺はショスタコーヴィチが好きになったのか」と驚いたらしい.

 で,実相寺監督が聴いていたショスタコーヴィチの交響曲は何番だったのだろう? 座談会で(音楽音痴だという)原知佐子は「ショスタコーヴィチの何番と何番を(以下略)」と述べていて,これがわからない.5番や7番ではもちろんありえず,もっとも実相寺にふさわしいのは,何となく2番や3番のような気がしてならないのだが(^^;),幾ら何でもそれは妄想だろうか.

 遺作になった「シルバー假面」の次は「光」という作品を撮る予定があったという.「光」のイメージをショスタコーヴィチに投影したら,それはひょっとして15番の透明なオーケストレーションだろうか.それとも11番の第1楽章だろうか.11番は,映画音楽としては終楽章が使われた山本薩夫の「人間の条件」のイメージが付いて回るだろうから,15番を取り敢えず挙げておく.脂の乗り切った時期のザンデルリンクの暗い録音で.

2007/12/07

ヘンデル/メサイア

ヘンデル/オラトリオ「メサイア」HWV56@ヴォルフガング・カッチュナー/ムジカーリッシェ・ラウテン(ドイツ・ハルモニア・ムンディ:88697164142

 2004年1月録音.
 ヘンデルが「メサイア」を作曲したのは1712年のUK移住後で,この作品のテキストも本来は英語なのだが,『欽定訳聖書』からとられているので,『聖書』の該当箇所を上手くあてればドイツ語でも日本語でも演奏できないことはない,というわけで以前からドイツ語による演奏・録音が存在する.なお,ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトによる編曲版(K.572)もドイツ語版.
 普通,これらのドイツ語版はマルティン・ルターによるドイツ語訳『聖書』からテキストをピックアップするので結構難解な言葉で歌われるらしいのだが,この録音ではドレスデンで使用されたヨハン・ゴットフリート・ヘルダー(1744-1803)による訳詩(1780年作成)が用いられている由.

 当然ながら,通常聴かれる英語版とは聴こえてくる言葉が全く違うので,「メサイア」を歌ったことのある身としては,かなり面食らう(^^;).演奏も,「水上の音楽」的な華やかさよりも,厳しさを前面に押し出したもので,祝祭よりも敬虔な祈りを感じさせるものになっている.なのに,何故か「ハレルヤ・コーラス」だけがロマンティックな演出をされているのが,何やら可笑しい(^^;).

2007/12/06

キモノ・ステレオ@飯島真理

キモノ・ステレオ@飯島真理(ビクター:VICL-62220)

 1985年発表.飯島真理,初の海外録音だったロンドン録音のデジタル・リマスター紙ジャケ盤.
 このひとは,当時(そして今もか?)僕らが考えていたよりも,このアルバムでのアレンジのようなハードロック調というのか,ブリティッシュ・ロックっぽい音がお好みのようで,そのあたりでマクロス-「Rose」路線で押したかった初期ファンとの間に齟齬ができちゃったのは,成り行きとは言えお互いに不幸だったと思う.
 総じてビクター時代の最初の3枚は,アレンジャーの色が強すぎ振幅も激しすぎて,マクロス路線のファンは面食らったんだろうね.僕は実のところ音楽の側から飯島真理を知ったクチだけど,それでもこの4枚目の路線が彼女の声に合っていたかどうかは,また別の話だろうと思い続けているのよ,今も.

 ・・・・・・「瞳はエンジェル」聴くと,今でも泣けます.

2007/12/05

八神純子ベスト

八神純子ベスト:ポプコン・スーパー・セレクション(ヤマハ:KICS2401)

 1970年代後半から80年代にかけてヒットした,八神純子のベスト盤.ベスト盤は幾つも出ているみたいだけど(つい最近も紙ジャケで初期のベスト盤が出た),曲数とお値段の手ごろ感は,このCDが1番じゃあないかしら(^^;).
 個人的には「みずいろの雨」が大好きで,先日もカラオケで歌ってきたばかりという話はさておくとしても,こーゆう歌手自身の高いクオリティって何時頃から失われちゃったのだか,時々不思議に思うことがありますね.プロデューサーが力を持ちすぎて,プレゼンテーションばかりが上手くなってはいるものの,それに反比例するように歌手のクオリティ(声質とか,作品とか)が下がっているような気がするのは,要するに自分が年をとったということなのでしょう(^^;).

2007/12/04

REIMY BRAND COMPLETE

麗美:ゴールデン・ベスト(REIMY BRAND COMPLETE)(コロムビア:COCP-33184)

 「麗美」と書くよりは「REIMY」と書いた方がしっくりくる(^^;).
 ほとんど20年ぶりで聴くREIMYの,このCDでまず最初に聴くのは03「ノーサイド」! もう,この曲はユーミンがどう歌おうが,他の歌手がどう歌おうが,僕にはこのREIMYの「ノーサイド」しか無いのである.それがウチのコンポで鳴るのは,今日がほとんど初めてというのは,一体どうしてこんなことになってしまったのか_| ̄|○
 それはさておき,シーズン真っ盛りのこの時季,REIMYの「ノーサイド」を聴くことが出来て感慨もまた,ひとしおである(sigh).ダメだ,繰り返し聴いていたらボロボロ涙が溢れてきて,それでも聴くのをやめられない自分がいる.

 あとは08「星空のリグレット」,10「恋の一時間は孤独の千年」,12「星のクライマー」あたりが,いろいろと想い出に残っている曲.「恋の一時間は孤独の千年」には多少,不愉快な記憶も残っているが,REIMYの無垢で透明な声に免じて忘れることにする(^^;).

2007/12/03

ヘンデル/メサイア

ヘンデル/オラトリオ「メサイア」HWV56@エドワード・ヒギンボトム/アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック(ナクソス:8.570131/570132)

 2006年1月の録音.
 「メサイア」はヘンデル自身が上演のたびに改訂していたので,現在も複数の版が演奏されているが,これは1751年ロンドンでの上演時の版に基づくという録音.女声を一切使わず,女声のパートはトレブル(Treble,クイーンズ・イングリッシュで「ボーイ・ソプラノ」を指す)とカウンター・テナーで演奏している.最初の合唱曲(第4曲,And the glory of the Lord~)で高音部が明らかにボーイ・ソプラノだったのに仰天(!)した.この曲,冒頭は確かアルトのパートなんだけど,何度聴き返しても女声にしか聴こえないのは,カウンター・テナーがアルトを受け持っているためか.むしろ第7曲And He shall purify~の方が,いきなりソプラノ・パートのボーイ・ソプラノから出るのと,高音がやたらと目立つ曲なので,その衝撃(^^;)がわかりやすいか.
 演奏は,その珍奇さによりかからない,無駄な装飾を排した真摯で爽やかなもの.一度ならず聴いて損しないだけの演奏に仕上がっている.

2007/12/02

SBMを図書館が運営し・・・・・・

 ソーシャルブックマークを使って,パスファインダーが作れないものかと,考え始めたのは,実は先週の火曜日(11月27日).その2日後,とある研修会で講師の先生に「機関リポジトリよりパスファインダーこそ図書館がやるべきことじゃ?」と質問したら,逆に図書館が作るパスファインダーの使いづらさと,同じ主題のものがあちらにもこちらにもあるのは無駄では,と指摘される.A大学の方が来てなくて幸い(^^;),とか思いながらも,確かにパスファインダーの使いづらさは感じていたところなので,懇親会で講師の先生に挨拶をしたついでに,「ソーシャルブックマーク形式によるパスファインダー」アイデアを話してみた.
 僕がこれを実現させるには,どうしたらいいんだろう?

ウィリアム・ヘンリー・フライ/クリスマス交響曲

ウィリアム・ヘンリー・フライ/クリスマス交響曲「サンタ・クロース」@トニー・ロウ/ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管絃楽団(ナクソス:8.559057)

 1999年8月の録音.
 CDのライナーノートに拠れば,ウィリアム・ヘンリー・フライ(William Henry Fry,1813-1864)はUSA(フィラデルフィア)で生まれたアメリカ人では最初に大交響的作品やグランド・オペラを作曲し,大新聞に音楽時評を寄稿し,USA音楽が発展することを訴え支援した人物である.ヨーロッパにも足を伸ばし,彼の地の文化と政治についてUSAの新聞に記事を送ったこともある.未開の地の開拓者として幾つもの仕事を同時並行でこなしたためか,過労により結核が悪化し,51歳でヴァージン諸島のサンタ・クルスに客死する.

 クリスマス交響曲「サンタ・クロース」は1853年の作品.クリスマス・イヴの楽しいホーム・パーティの様子と,その晩のサンタ・クロースの訪問,そして空から天使の歌声(「神の御子は今宵しも」が壮大に鳴らされる!)が聴こえてくる様が描かれる.如何にも何の悩みも無さそうな,明るく力強い「古き良きアメリカ」らしい音楽,という印象である.なお,世界で始めてサクソフォン(ソプラノ・サックス)を起用した交響曲でもあるそうで,そのソロが綺麗なメロディを奏でる箇所がある.

2007/12/01

山下達郎/クリスマス・イブ

山下達郎/クリスマス・イブ(ムーン:WPCL-10059)

 1983年発表.
 今年で21年連続,オリコン100位以内に入っているとの由.元は20年以上前の作品なのに,何ともスゴイことである.JR東海の「シンデレラ・エクスプレス」のおかげだけじゃあるまい.
 そういえば以前,達郎ファンの知人が別のファンから1983年12月に出た限定盤12インチシングルを見せられて,大層悔しがったと聞く(^^;).僕は,その12インチシングルは伝説として聞くばかりで見たことは1度も無い.何故か「Melodies」のポスターは譲られて持ってるんだけど,その際もこの曲を聴いた記憶が無いんだから,先見の明がまったく無かったのね_| ̄|○

« 2007年11月 | トップページ | 2008年1月 »

UNIQLOCK

ついった

「愚智提衡而立治之至也」のはてなブックマーク注目エントリー

「愚智提衡而立治之至也」のはてなブックマーク人気エントリー

あわせて読みたい

  • あわせて読みたい

只今積読中

ココログ図書館ネタ