ニーノ・ロータ/交響曲第3番
ニーノ・ロータ/交響曲第3番ハ調@大友直人/日本フィル(キング:KICC241)
1997年8月の録音.
「ゴッドファーザー」「太陽がいっぱい」「山猫」などの映画音楽で知られたニーノ・ロータ(1911-1979)は,そもそもミラノ音楽院でイルデブランド・ピツェッティに師事し,さらにローマの聖チェチーリア音楽院でアルフレッド・カゼッラにも師事した,歴としたクラシックの作曲家である.イタリアの現代クラシック音楽は,(カゼッラやジャチンド・シェルシのような当時の前衛ならまだしも)なかなか国境を越えられないので,ロータは第二次大戦後に始めた映画音楽の作曲では世界的な名声を勝ち得たものの,クラシックの作曲家としてはマイナーで終わる.このあたり,やはり20世紀に生まれて映画音楽で成功しながら,一生を通じてクラシック畑の作品を書き続けたミクロス・ローザに通じるものがある.
交響曲は番号つきの作品を3曲残しているが,第3番は1956年から1957年にかけて作曲された.特に作曲に関する動機のようなことは伝えられていないようである.師のカゼッラやヒンデミット,初期のボリス・ブラッハーに通じる新古典主義(作曲当時は「時代遅れ」の烙印を押されていたであろう)と,都会的な抒情が楽章によって使い分けられて,なかなかにモダンな雰囲気を感じさせる.しかし,これはクラシックとしても,やっぱり1920年代から30年代のセンスじゃないかしら(^^;)? そこが今になってウケ始まっているのかもしれないけど.
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