マーラー/交響曲第5番
マーラー/交響曲第5番嬰ハ短調@モーリス・アブラヴァネル@ユタ交響楽団(ヴァンガード:ATM-CD-1220)
1974年5月から6月の録音.
アブラヴァネル(1903-1993)はギリシアで生まれ,後にスイス国籍を取得した指揮者.ヨーロッパで活動した後,ナチから逃れてオーストラリア,次いでUSAに渡り1947年から1979年までの間,ユタ交響楽団の常任指揮者としてこのオケをUSAでも有数のオーケストラに育て上げる.ユタ交響楽団においては,スイス・ロマンド管絃楽団におけるエルネスト・アンセルメのような位置にある,と言えば理解し易いかしらん?
後期ロマン派から近代の音楽を好んで取り上げ(無調の音楽は取り上げなかったらしいが),ブラームスやマーラーは交響曲の全曲録音を残している.それらの録音は,アブラヴァネルの現役時代には日本ではほとんど発売されずに終わり,数年前からようやく輸入盤で出回るようになっている.
が,この録音あまり良いマーラーの演奏じゃないよな,というのが正直なところで(^^;).オケも意外なところでヘタっているし.何よりマーラー特有の,引き裂かれた近代人の自意識過剰なところが表現されておらず,新古典主義といえば聞こえがいいが,ごくおとなしい中庸すぎるほど中庸な演奏にとどまっている.アクの強さがほとんど感じられないので,メンデルスゾーンの延長でマーラーを聴きたいヒトには向いているかも.
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