シェーンベルク/室内交響曲第1番
シェーンベルク/室内交響曲第1番作品9@ジュゼッペ・シノーポリ/シュターツカペレ・ドレスデン(テルデック:WPCS-10428)>
1998年4月の録音.
1907年に初演されたときは大スキャンダルになり,初演の会場に居合わせたマーラーが,隣席の男と乱闘寸前までいったという曰く付きの作品,には100年後の耳には全く聴こえない(^^;).もはや,この作品が「わかる」音楽として聴ける程度には,演奏する側も聴く側も受容の体験を積んだ,ということなんだろうな.実際,初めて聴いたのは高校生のときだったと記憶しているけど,僕にはこの作品,「グレの歌」よりも馴染み易い音楽だったですね.いわゆる「現代音楽」は響きの斬新さと意外さを面白く聴けるかどうかなんだということを,この作品を通じて学んだようなところがあったかも.
これは余談だけど,コンピュータを使ったクラシック界のミュージック・コンクレートがほとんど内輪の世界に留まり,「技術」的にはさほど変わらないテクノポップのYMOが広く一般に受け入れられたのは,ミュージック・コンクレートがあまりにも「響き」を考えずに音楽を成立させようとしていたから,じゃないですかね? 昔々,某所で開催されていた現代音楽祭を聴きに行ったときに,使っている機材がYMOと変わらないように見えるのに,そこから生み出された音色のあまりのつまらなさに呆然とした経験が甦りますよ.
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