エネスコ/交響曲第2番
エネスク/交響曲第2番イ長調作品17@クリスティアン・マンディエル/“ジョルジュ・エネスク”ブカレスト・フィル(アルテ・ノヴァ:74321 34035 2)
1994年6月の録音.
ジョルジュ・エネスク(エネスコ,1881-1955)はルーマニア生まれの作曲家.指揮はもちろん,楽器は何でもこなしたらしいが,特にヴァイオリニストとして傑出した名声を獲得している.夭折した天才ピアニスト,ディヌ・リパッティ(1917-1950)の洗礼時の代父でもあり,リパッティはエネスコの作品を取り上げて演奏し,録音も残している.
交響曲第2番は1912年から1914年にかけて作曲された3楽章からなる作品で,終楽章の不気味な小太鼓のリズムは,来るべき戦火の予感だったのかもしれない.同時代の批評家からは「印象主義者」「未来主義者」「奇妙だ」と散々な言われようであったらしい.結局,エネスコの生前は一度しか演奏されないまま,出版もエネスコの死後に持ち越されることになる.現在の耳で聴くと,ドイツ・オーストリア系後期ロマン派的さが持ち味の華麗なオーケストレーションで,特に未来主義的な騒音音楽っぽい要素は皆無である.ただ,音楽の進行が必ずしも滑らかではなく,見通しの悪いギクシャク感が漂うためか,印象主義的だと思われたところはあるのだろう.
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