武満徹/2つのレント
武満徹/2つのレント@福間洸太朗(ナクソス:8.570261J)
2006年7月の録音.
僕は生憎,武満徹(1930-1996)の良い聴き手ではこれまでなかったし,これからもそうだろうと思う.僕がこの「武満徹/ピアノ曲集」を購入しようと思い立ったのは,まずは「音楽以前」と山根銀二(1906-1982)が酷評した「2つのレント」(1950年)が収められているから,というくらいで.
山根銀二は戦前戦後を通じて活躍した音楽評論家で,確か長らく朝日新聞に音楽批評欄をもらって健筆を振るっていた人物.何となく,晩年の批評を呼んだ記憶があるのは気のせいか? 何しろ,戦時中は山田耕筰と組んで国策に協力していたのに,戦後は一転して山田耕筰批判の急先鋒になるという,変わり身の早さに象徴される一種の「目利き」が,長らく山根を業界の第一線で活躍させた主因だったのだろう.
さて「2つのレント」である.現在の耳で聴くと,ドビュッシーに似た象徴主義的で,どこかハシゴをボカされたような雰囲気で進行する音楽だな,というところ.この「何も起こらない」「収束しない」感が,独墺系音楽ばかり嗜んでいた当時の批評家にはお気に召さなかったのだろうな(^^;).
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