本寄贈呼び掛けから1年・・・
先日(8月26日)の福島民友新聞3面に「本寄贈呼び掛けから1年・・・ 「図書の町」誕生へ着々」という,矢祭もったいない図書館の記事が大きく掲載されました.何でも「ライブラリーオブザイヤー2007」の最終選考に残ったとか(福島民友8月16日付記事参照).この記事,「経過」「現状」「課題」などを丹念に跡付けた,大変に好意的なトーンで書かれており,ささやかながらも応援していた人間としては,ちょっとホッとしています(^^;).何しろ記事に拠れば,
そうですから.ちなみにこの箇所,僕の周囲では記事中もっともウケたところでしたよ.まあ,公共図書館業界人や関係者には,よもや「心ない」電話やメールをした方はいないと僕は固く信じておりますが(^^;),さてどうでしょうか?
寄付を募り始めたころは,全国から善意の本が寄せられる一方で「古本を集めたようなのは図書館ではない」など,心ない電話やメールも数多く寄せられたという(強調は引用者)
そう言えば「もったいない図書館」を「反図問研的公共図書館」と評した方も(この表現そのものは僕のひねり出した形容ですが,そのような意味のことを述べていた方は,僕の周囲には幾人もおりました(^^;))いましたが,図問研が「みんなの図書館」とは別途発行している雑誌(学術系もしくは理論誌)「図書館評論」の48号で,山本順一氏と中沢孝之氏による図問研研究集会での発表報告を掲載してます.これがまた僕の事前の予想を遙かに(^^;)上回る好意的な文言が並ぶもの.また本家の「みんなの図書館」2007年6月号では「もったいない図書館」の齊藤前館長(その節はお世話になりました)による「報告・矢祭町から 「矢祭もったいない図書館」開館す!!」という一文を掲載しているところを見ると,図問研の少なくとも一部の方々は「反・小泉改革路線」と「地方自治」の観点から「もったいない図書館」の評価を見直し転換したようにも思えます(敵の敵は味方!)が,一般の会員の見方もまたそれに倣っているのでしょうか.このあたり,公共図書館業界では今やもっとも官僚的かつ原理主義的な日図研の見解も知りたいところです.
なお,現在のところ「もったいない図書館」は寄贈本の受付を中止していますが,8月26日の福島民友の記事では「もったいない図書館」が青森県の五所川原市立図書館に寄贈本を紹介したことが載せられています.五所川原市立図書館のサイトには「本を寄贈していただけませんか? ~めぐりあい、図書~」というページがあります.ご参考までに(ちょっと寄贈の条件が厳しいような気がしますが,まあそれは各館の経営方針と言うことで).
思うにやはり,「もったいない図書館」を嚆矢とする「寄贈本による蔵書構築法」は,地域住民の参加による「選書ツアー」とともに『市民の図書館』が生み出した,公共図書館経営への市民参加の大きな実りだったのではないでしょうか? このふたつが『市民の図書館』支持者から非難されたところが,この国の公共図書館を巡る「捩れ」のようなものを感じ取ることは可能でしょう.
と言うわけで,「お祭り」は終わったかもしれないけど,地の利も生かして(?)それなりに継続してウォッチしてますので>>誰かさんへ.
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