ショスタコーヴィチ/交響曲第15番
ショスタコーヴィチ/交響曲第15番イ長調作品141@クルト・ザンデルリンク/ベルリン交響楽団(ドイツ・シャルプラッテン:TKCC-15036)
1978年5月から6月の録音.
実はこの交響曲の初演は1972年1月なので,初演から6年しかたっていない時点での録音である.この一筋縄ではいかない難解な交響曲を,ザンデルリンク(1912-)の指揮は相変わらず派手さを抑えた渋めの音色で,がっちりと隅々まで音楽を把握し一角一点もゆるがせにしない.このフル・オーケストラを用いた室内楽じゃなかろうか,と思えるほど薄いオーケストレーションの施された音楽を,実に丹念に演奏している.特に終楽章は,他の指揮者のこの作品の演奏よりも演奏時間が長く,ほとんど20分を費やしてその静謐なコーダまでキリキリと緊張感を持続させている.
いま,ふと気がついたのだが,第2楽章のトロンボーンのソロが意識しているのは,マーラーの交響曲第3番の第1楽章で朗々と吹かれるトロンボーンだね.
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