バルトーク/絃楽四重奏曲第6番
バルトーク/絃楽四重奏曲第6番Sz114@ハンガリー絃楽四重奏団(DG:457 740-2)>
1961年9月27日から30日にかけての録音.ベーラ・バルトーク(1881-1945)の薫陶を直接受けたひとりであるゾルタン・セーケイ(1903-2001)が率いたハンガリー絃楽四重奏団による,バルトークの絃楽四重奏曲全集から.
この絃楽四重奏曲は,1939年11月にブダペストで書き上げられる.バルトークがヨーロッパで完成させた最後の作品である.実は,この作品をバルトークに委嘱したのは他ならぬセーケイそのひとだったのだが,一旦はハンガリーを離れたバルトークがスイスからハンガリーへ戻りこの作品を完成させた後,1940年10月にはナチの戦火を避けてUSAに亡命したため,当時オランダにいたセーケイとは連絡がとれなくなってしまう.そのため,この作品はユダヤ系のためUSAに亡命していた左利きのヴァイオリニスト,ルドルフ・コーリッシュ(1896-1978)率いるコーリッシュ絃楽四重奏団(絃楽四重奏曲第5番の初演者)によって1941年1月20日にニューヨークで初演されることになり,作品もコーリッシュ四重奏団に献呈される.
バルトークは第4番と第5番の絃楽四重奏曲において,第3楽章を中間点として1・5と2・4楽章がそれぞれ相似形をなす5楽章形式を採用していたが,第6番では一般的な4楽章構成を採用している.しかし,各楽章の冒頭には「Mesto(悲しげに)」という表情記号を付した同じ旋律を「モットー」として置き,そこからそれぞれ音楽を出発させるという形式をとった.終楽章はMestoのモットーが主要主題となり,悲しみの中に全曲が閉じられる.
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