ドビュッシー/ヴァイオリン・ソナタ
ドビュッシー/ヴァイオリン・ソナタ@ジャック・ティボー&アルフレッド・コルトー(EMI:CE30-5741)
1929年の録音.マーラーの交響曲第2番の演奏会を,途中で席を蹴って出て行ったドビュッシー(1862-1918)は苦手中の苦手なので,ウチのCDライブラリーを探し回って,結局この録音しかないのであった.録音年から言って当然,電気録音初期のモノーラルであるが,曖昧模糊とした進行と謎めいた雰囲気が身上のドビュッシーには,作曲家と同時代の空気を吸っていたティボー(1880-1953)とコルトー(1877-1962)による演奏が相応しいところもあるだろう.
さて,ドビュッシーは第1次大戦が始まると,「フランスの作曲家」としてドイツの侵攻に対抗すべく,「様々な編成による6つのソナタ」を作曲する計画を立てる.既に病魔に冒されていたドビュッシーは,それでも「チェロとピアノのためのソナタ」「フルート・ヴィオラとハープのためのソナタ」(ともに1915年)を書き上げ,次いで1917年に完成させたのがこの「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ」である.ドビュッシーはここで力尽き,残る3曲のソナタは未完に終わる.
この録音,ティボーのこぼれるような美音はある程度堪能出来るものの,曲についてはこのコンビを以ってしても,残念ながら僕にはよくわからない.残念なことだが.
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