シェーンベルク/ワルシャワの生き残り
シェーンベルク/「ワルシャワの生き残り」作品46@ジュゼッペ・シノーポリ/シュターツカペレ・ドレスデン(テルデック:WPCS-10428)
1998年5月から6月にかけての録音.
1947年にクーセヴィツキー財団の委嘱で作曲され,翌1948年11月に初演された.管絃楽,語り手と男声合唱による8分弱の小品ではあるが,ワルシャワのゲットーにおける大量虐殺(映画「戦場のピアニスト」でも描かれている)に取材しシェーンベルク自らが書き下ろしたテキストによる,反ファシズムの立場を明確にした作品である.シェーンベルクらしい,緊張感溢れた冒頭から,クライマックスの合唱に至るまで,一見現代音楽にありがちな場当たり的展開に聴こえるが,実は12音技法に則りなおかつ重層的に計算されつくした展開を聴かせる傑作.難解な技法が用いられているにもかかわらず,初演時にはアンコールされたという.
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