チャイコフスキー/1812年
チャイコフスキー/大序曲「1812年」作品49@ヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリン・フィル(DG:POCG-90302)
1966年10月13日の録音で,冒頭に合唱を,クライマックスでは大砲を用いている演奏.こーゆう,それほど中身があるとも思えない作品を振らせると,ホントにカラヤンは天下一品な指揮をする.
この作品は,1882年8月にモスクワで開催された産業芸術博覧会での演奏会で初演された.この年は1812年にロシア軍がナポレオン率いるフランス軍を撃退してから70年目に当たり,また演奏会の会場はロシア皇帝アレクサンドル1世の勅令で建設され始めたものの,ようやくこの年に完成した救世主キリスト大聖堂前の広場であった.野外で演奏するときを想定して,本物の大砲を使うようスコアに指示がある.チャイコフスキーは当初,そのような機会音楽を書くことを嫌がっていたらしいが,結局は師匠筋にあたるニコライ・ルービンシテインの慫慂で重い腰を上げることになる.1か月あまりで書き上げたこの作品を作曲者自身は好きではなかったようだが,気がつけばチャイコフスキーの代表作のひとつに数えられてしまっているのには,地下のチャイコフスキーも苦笑しているのかどうか.
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