ミヨー/交響曲第3番
ミヨー/交響曲第3番「テ・デウム」作品271@アラン・フランシス/バーゼル放送交響楽団(cpo:999 540-2)
1997年6月の録音.
この交響曲は,フランス国営放送から第二次世界大戦の終結を祝う「テ・デウム(我ら神であるあなたを讃えん,キリスト教の讃歌のひとつ)」の作曲をミヨー(1892-1974)が依頼されたことから,1946年に作曲された.4楽章からなり,第1楽章は「闘争」を,第2楽章は「瞑想」による宗教的感情を,第3楽章は「地上への復帰」をそれぞれ抽象的に表現し,終楽章は「アンブロジオ讃歌」と題された「テ・デウム」による楽章である.第2楽章ではヴォカリーズによる合唱が,終楽章には「テ・デウム」を歌う合唱がそれぞれ導入されている.楽章の構成や各々のテンポは伝統的な交響曲の様式(急速調-緩徐楽章-スケルツォ-威儀のあるフィナーレ)に則っているが,フランスの交響曲らしく,確固たる「ソナタ形式」は用いられていない.
ミヨーの交響曲では幾分,親しみ易い作品かとは思うが,感傷を排したこの手の軽く,乾いた諧謔味を理解するのが難しいことと,旋律の魅力に欠けているためか,なかなか人口に膾炙しないのが惜しまれる.
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