プロコフィエフ/アレクサンドル・ネフスキー
プロコフィエフ/カンタータ「アレクサンドル・ネフスキー」作品78@ネーメ・ヤルヴィ/スコティッシュ・ナショナル管絃楽団(シャンドス:CHAN8584)
1987年8月の録音.当時売り出し中だったヤルヴィによる力演である.
アレクサンドル・ネフスキー(1220-1263)はウラジーミル大公国の大公だった実在の人物で,中世ロシアの英雄と讃えられ,また東方正教会の聖人に列せられている.アレクサンドルの当面の敵はドイツ騎士団とスウェーデンであり,アレクサンドルはモンゴル帝国のバトゥを味方に付けてドイツ騎士団等と対峙し,ノヴゴロド公だった1242年には襲来したドイツ騎士団を「氷上の戦い」と後世形容されるチュド湖上の戦いで撃破する.その戦闘をセルゲイ・エイゼンシュテインが1938年に映画化したのが映画「アレクサンドル・ネフスキー」である.その映画で音楽を担当していたのがプロコフィエフで,プロコフィエフはその映画音楽を転用してカンタータを作り上げる.それがここに聴かれるカンタータ「アレクサンドル・ネフスキー」なのだが,クライマックスの「氷上の戦い」など聴いていると,プロコフィエフと言うよりはショスタコーヴィチのようなオーケストレーションであり,「プロコフィエフには何人ものオーケストレーション担当者がいて」云々と噂されたのもむべなるかな,と思わせる.プロコフィエフらしい諧謔味はあまり感じられない.
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