ハルトマン/交響曲第1番
ハルトマン/交響曲第1番「レクィエムの試み」@フリッツ・リーガー/バイエルン放送交響楽団(ヴェルゴ:WER 60187-50)
1960年代の録音と思われる.ミュンヘンで活躍した指揮者リーガー(1910-1978)の演奏は,メッツマッハーの全集でのそれよりも切れ味鋭く,ハードボイルドなハルトマンのイメージを再現した好演である.
ナチ政権下のドイツで国内亡命と言う困難な道を選んだカール・アマデウス・ハルトマン(1905-1963)は,義父に生活費を融通してもらいながらドイツ国内では沈黙を守る一方で,書き溜めた作品を亜鉛でできた密閉容器に入れて地中に埋め秘匿していた.
この交響曲は1935年から翌年にかけて,アルト独唱と管絃楽のためのカンタータとして作曲され,「交響的断章」として1936年にパリで演奏されるはずがキャンセルされてしまう.第二次大戦が終わった後,1947年から翌年にかけて改訂され「レクィエムの試み」と改題され,1948年5月にフランクフルトで初演される.
テキストはウォルト・ホイットマン(1819-1892)の『草の葉』からとられている.
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