ハチャトゥリアン/ヴァイオリン協奏曲
ハチャトゥリアン/ヴァイオリン協奏曲ニ短調@ルッジェーロ・リッチ&アナトール・フィストゥラーリ/ロンドン・フィル(デッカ:448 252-2)
1956年,最初期のステレオ録音だがさすがにハイファイで鳴らしたデッカの録音だけに,デジタルリマスタリングのあとでも随分と鮮明な音である.初演から10年ほどしか経っていないのに,演奏者の手の内にこの作品がしっかり収められているのは見事.
リッチ(1918-)はUSA生まれのイタリア系ヴァイオリニストだが,確か世界で一番最初にパガニーニの「24のカプリース」のステレオでの全曲録音を成し遂げたひとで,まずは19世紀のヴィルトゥオーゾ系ヴァイオリン作品を得意とする.大変に貪欲と言うのか,とにかくレパートリーは広く,J.S.バッハの録音は知らないがパガニーニ,サラサーテからベートーヴェンやブラームス,さらにはハチャトゥリアンやヒナステラまでレパートリーにして録音している.ブラームスの協奏曲だったか,名のある作曲家やヴァイオリニストが残したカデンツァを網羅して巻末付録みたいに録音して,カデンツァのところを取り替えることが出来るCDも出している.ミッシャ・エルマンからイヴリー・ギトリスにまで及ぶクラシック系芸人ヴァイオリニストの典型のようなヴァイオリニストである.
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