カリンニコフ/交響曲第1番
カリンニコフ/交響曲第1番ト短調@ネーメ・ヤルヴィ/スコティッシュ・ナショナル管絃楽団(シャンドス:CHAN8611)
1987年4月の録音.ロシア(旧ソ連)以外でのカリンニコフ再評価の嚆矢となった録音ではあるまいか? 第2次大戦前は日本でも近衛秀麿により演奏されたことがあり,それなり知られていた作品だが,戦後は歴史の片隅に追いやられていた感がある.故・大木正興は「レコード芸術」誌上の新譜月評でスヴェトラーノフの録音を,作品ともどもバッサリ切り捨てていたと記憶する.
しかしこの交響曲は,病と貧困の中で世を去ったヴァシリー・カリンニコフ(1866-1901)の残した,傑作である.どこか懐かしい雰囲気の漂う旋律と,(チャイコフスキーを除く)当時のロシアの作曲家には珍しいほどの構成力が渾然一体,絶妙なバランスで表現されている.
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