バルトーク/絃楽四重奏曲第1番
バルトーク/絃楽四重奏曲第1番イ短調作品7(Sz52)@アルバン・ベルク四重奏団(EMI:3 60947 2)
1983年から1986年にかけて録音されたアルバン・ベルク四重奏団によるバルトーク/絃楽四重奏曲全集から.これまたブックレットが不親切で,どの曲が何年に録音されたのだかよくわからない書き方で,ちょっと困る.この全集は発売当時,大絶賛された全集だったと記憶するが,なるほど,これほど豊かな響きを持ったバルトークの絃楽四重奏というのは,20年前には目新しかっただろうし,現在においてもその価値が衰えているとは思えない.
絃楽四重奏には珍しい(?)3楽章構成で,それもショスタコーヴィチの交響曲第6番の先取りのような序・破・急の構成をとる.全体を覆う重苦しさなどに,作曲当時のバルトークが抱えていた恋愛の苦悩を見る向きが多いわけだが,恋愛沙汰の結果にしてはこの曲,いささか深刻すぎる響きのように聴こえないでもない.バルトークというひとは,何でも自分の中に抱え込んでしまうタイプだったと想像できるが,それにしても(sigh).
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