ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第3番
ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第3番ニ短調作品30@ボリス・ベレゾフスキー&ドミトリー・リス/ウラル・フィル(MIRARE:MIR008)
2005年8月,フランスはメッツの「アーセナル(Arsenal)」(19世紀の兵器庫[arsenal]を改造した演奏会場らしい)での録音.ジャケットの外面がずべてフランス語だった(オケの記載もOrchestre Philharmonique de l'Oural)ので,最初はフランスのオケを使った録音かと思ったら,ピアニストも指揮者もオケ(ウラル・フィルはエカテリンブルクが本拠)もロシアのもの(^^;).レコード会社(初めて見たレーベルで,本社はナントにあるみたい)と録音した場所がフランスというわけである.
さて,この1969年生まれのピアニストと1960年生まれの指揮者によるラフマニノフ,聴取前の予想にたがわず,ズブズブの分厚く斜陽貴族っぽい退廃的なロマンティシズムとは無縁(^^;).何しろ全体で演奏時間が40分を切っている(第2番とのカップリングでCDの総録音時間が70分40秒!)くらいだが,かと言って疾風怒濤のラフマニノフでもなく,意外に端正で繊細な演奏,というところか.この季節でも聞くに堪えるラフマニノフ,と評したら何か変ですかね(^^;).
ピアニストの技巧は問題なしだが,ひょっとして轟音を鳴り響かせるタイプのピアニストではないのかも,と思わせるところはある.オケが大きな音を出すとピアノが聴こえなくなることがあるのは,録音バランスのせいばかりでもないだろう(^^;).オケはピアノにぴったり付けており,なかなかの巧者ぶりが伺える.
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