ペルゴレージ/スターバト・マーテル
ジョヴァンニ・バッティスタ・ペルゴレージ/スターバト・マーテル@ルネ・ヤーコプス/コンチェルト・ヴォカーレ(ハルモニア・ムンディ・フランス:HMX290830)
「悲しみの無い音楽というものをわたしは知らない」と述べたのはシューベルトだったと記憶しているが,夭折の天才ペルゴレージ(1710-1736)のこの作品は,その言葉が正に当てはまる.「スターバト・マーテル」(聖母哀傷)という詩の内容に相応しい,悲痛な調べが全編を覆い尽くしている.わずか26歳で,ここまで音楽的才能を開花させたペルゴレージの能力たるや,少々信じ難いものさえある.
この演奏はヴォーカル・ソロにソプラノとアルトではなく,ボーイ・ソプラノとカウンターテナーを立てたもの.ボーイ・ソプラノのたどたどしくも天衣無縫な歌が,何処か物悲しげで涙を誘う.
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