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2007/03/11

二匹目のドジョウにだってそれなりの努力は必要だよ

 宇部日報【図書購入費が前年度の10分の1に激減
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 現象としては矢祭もったいない図書館の悪影響でしょうね(^^;).それは間違いない.ですが山陽小野田市の市長(と議会と住民も含めて,かも)は,表面をなぞることは知っていても「矢祭町問題」(^^;)が成立し得た要因までは精査していませんね,恐らくは.

 矢祭もったいない図書館は,おおよそ下記のような事情で成立しています(あくまで概略,事実誤認があればツッコミ願います).

0.矢祭町は現町長の舵取りで「合併しない町宣言」をぶちあげ合併せずに自立する道を模索しており,この方針は自治省→総務省に反抗しているため地方交付税は懲罰的に先細りである

1.あるとき町内有志がアンケートをとったら町に欲しいのは公共図書館である,という意見が多数を占める

2.アンケート結果を有志が町長に相談する

3.空いていた元の武道館を提供して公共図書館にすることになる

4.武道館を改装する予算をつけるのが精一杯で,その上蔵書を揃えるための予算はつきそうにない

5.2006年7月(?だったと思う),内外に声をかけて個人が死蔵している書籍を寄贈していただくようお願いをする

6.集まった書籍の整理や,開館後の図書館運営は素人のボランティアがあたることも同時に明らかにされる

7.マスメディアやblogの大方が好意的に蔵書起草のお願いを取り上げ,予想を上回る反響(33万冊)を得る

7.図書館は2007年1月に開館,隣りの書庫は3月完成予定である.

合併しない道を選択した矢祭町と,小野田市と山陽町が合併して誕生した山陽小野田市では,そもそもの起点からして異なる.山陽小野田市内の住民が「公共図書館存続」を願っているのかどうかも明らかではない(市会議員が予算減について質問しているのは,予算の減り方が突出しており常識では考えられないから,という見方も出来る).矢祭町が幾つもの「前提条件」をクリアしてはじめて成功した図書館づくりを,山陽小野田市長はいったい何と心得ているのだろうか.
 ついでに言えば,それだけの予算減の飲ませるところとして目をつけられた山陽小野田市立図書館,業界に身を置く者としては同情すると共に,市の組織におけるその発言力の弱さに何ともやりきれない思いを抱く.まさか,それだけの予算減を当局から飲まされるほど運営が低調だとは,図書館のサイトを眺めている限りでは考えられないので,これは生兵法を市長が振り回したのであろうが,それにしてももう少し抵抗できなかったものか(-_-;).

 ただですね,これでもしも山陽小野田市立図書館にも寄贈書籍が殺到した場合.矢祭町のときにも申し上げましたが,自治体における「公共図書館の危機」に対して(近代)市民が何らかの行動に打って出る.そのこと自体は公共図書館という存在がこの社会において相応の位置を占めているからこそ起こり得ることで,この国の社会において日野市立図書館以来の『市民の図書館』を基盤とした(公共)図書館運動がそれなりの成果を挙げたということでもある.そのことは,公共図書館業界関係者は本来誇るべきことなんですよ(^^;).矢祭ひとつにとどまらず,この国の市民は公共図書館を支えることに如何なる形ではあれ,力を尽くしたんだということになるわけですから.もしそうなったら,そのことをもう少し公共図書館業界関係者,就中日図研と図問研の原理主義者たちは考えた方がいい.それが自らの成功と失敗を捉えなおす端緒になるはずだから.

 どうでもいいけど↓「がけっ縁予算」って,あとは脱ぐしかない,うらぶれたグラビアアイドルじゃないんですから.


このまちメディア 宇部日報
更新 2007年3月9日 14:32

図書購入費が前年度の10分の1に激減
 山陽小野田市は二〇〇七年度当初予算案で図書購入費を大幅に削っている。中央、厚狭の両図書館の予算は〇六年度の十分の一に減り、新刊本、雑誌、新聞が満足にそろわない状況に陥る。八日から始まった定例市議会一般質問でも、複数の議員がこの問題を取り上げ、市の姿勢を問うた。白井博文市長は「図書館で本は命だが、新刊に限ったものではない。市民の協力を得て充実していくのも一つの方策。手法はいろいろあり、知恵が試されている」とした。
 中央館の図書購入費は〇六年度より九百四十万円減の七十八万円、厚狭館が三百六十万円減の四十三万円しか計上されていない。新刊の貸出冊数は全体の67%を占めており、減額の影響は大きい。
 市は、財政破綻(はたん)の手前で踏ん張る「がけっ縁予算」と位置付け、市民サービスの低下への理解を求めているが、中でも中学生の海外派遣、図書購入費、敬老祝い金の「三点セット」への風当たりは強い。

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