金印偽造事件
かいつまんで内容を説明すると,志賀島で発見されたと言われる「漢委奴國王」金印は,福岡藩内の学閥争いの中で,片方の勢力を伸張させるための祥瑞として偽造されたものだった,という話.説得力はあるけど,その証明/裏付けは最早不可能に近い.当時の福岡藩関係者(家老とか奉行とか)の日記とか出て来て,噂話でも確認出来ると面白いのだけど.
しかし,この手の本を読むと以前,僕も嘘吐き呼ばわりされたことを思い出します(^^;).あのひと,自分が如何に業界のエライさんと深くつながっているか折に触れ語っているみたいですが.
まあ,僕らがやっているのは学級会民主主義じゃないんだから,ある印刷媒体に誰かの発言が掲載されたからって,その発言と発言者がそこで認められたことにはならないことくらい,誰が考えてもわかるんじゃないかと思うのですよ.この本が出版されたからと言って,これを以って志賀島の金印が全否定されたと考えるのが早計であるのと同様に.その後の議論の動向の中でこの意見がどのように評価されていくか,あるいは黙殺されるのか,それを時間の経過の中で全体として見通すことにより,ある意見が「採り上げられた」とはじめて言えることになるのではないかと考えるのですがねえ(sigh).
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