2022年11月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

コメント・トラックバックの取り扱いについて

  • コメント・トラックバックをお寄せいただき,ありがとうございます.blog主が確認ののち,公開されますのでしばらくの間,お待ちいただくことがありますがご了承ください.当blogに無関係な内容のコメント・トラックバックはblog主の判断で削除されるものもあります.

「貸出至上主義者」度チェックβ版

ココログ


ほし2

« ショスタコーヴィチ/交響曲第7番 | トップページ | マーラー/交響曲第6番 »

2007/01/08

公共図書館いるの? いらないの?

 年末年始にかけて「公共図書館の民営化」に関する議論(【MultiSynapse - はてなブックマークの[図書館]タグがちょっとだけ盛り上がっています(?)】)が随分と盛り上がっていたのですね(^^;).ふーむ.

 昨日今日と取り急ぎ,だだだだっと読んでみましたが.・・・・・・議論が成立する上で必要な「共通の土台」が無いような,もしくは,論者各々の予断と偏見がキツくて議論のブレが大きすぎる感じがします.

 今回は見たところ「公共図書館いるの? いらないの?」というところが本質で,民営化云々はその前菜だろうと思うのに,前菜もまた美味しい(^^;)ときているようです.

 どうにも首を捻ったのは今回,俎上に載せられた「図書館の民営化」って,要するに「指定管理者制度を用いた業務委託」のことを指しているのでしょうか? というあたり.厳密に捉えるならば,指定管理者であれプロポーザル方式であれ何であれ,「業務委託」は「民営化」と違いますわな(^^;).[追記:このあたりについては【Tohru’s diary:図書館民営化と公共性の議論に水を差してみる】がまとまってますのでご一読を.Tohruさんのご意見にも当方同意です]

 共同幻想(?)の上に成り立っている仮想敵国を互いに攻めあっているから,仮想敵国に対する共通の認識も生まれえず,議論もブレが大きくなるのでしょう.例えば「桑名市立図書館の現状」ですとか「夕張市立図書館の廃止」とか(数ある中から固有名詞を例に挙げたことに他意はありません>>関係者各位),現実にある個別の案件を勘案しないまま議論を交わしても,それは誰ぞのおっしゃる「言葉遊び」の域を出るものにはなりますまい.今回のような「すべてかゼロか」で終わる必要の無い議論では特に.

 だいたい,現行の公務員制度が専門職を必要としている公共図書館をちゃんと支えているかどうかも検証せずに,公共図書館の現状を「あるべき姿」と肯定するのは公務員にとってムシがよすぎると思いますが如何.現行の公務員制度が公共図書館から有資格者を排除している一因であるにも拘らず.

 それから,行政の収支の面から公共図書館の民営化もしくは廃止を是とする立場.僕は「新自由主義」というラベリングが罵られているのかどうかもわからない(^^;)ほど経済は門外漢ですが(ハイエクも「自由」を考える上で部分的に参照しているに過ぎません),公共図書館の「公共性」は社会にとって余剰では無いのではないだろうか,という予見を持っています.その理由は現在鋭意研究中(-_-;)ですが,いわゆる「公共圏」論や「場所としての公共図書館」論に,その基礎となる可能性を考えているところです.

 なお,公共図書館を必要としている大前提であるところの「近代市民社会」なんざ,この国で実現したことなど無いじゃないか,という議論は僕にとって大変に魅力的(^^;)なのですが,今回は取り敢えず考えないことにします\(^^\)(/^^)/

 ちなみに僕個人は


「ぶっちゃけ私は利用者にとって使いやすいなら公立公営でも公立民営でも公立で一部民間委託でも、運営形態はなんでもかまわないと思う。」
という【kmizusawaの日記 - 図書館の民営化&図書館はなんのためにあるのか】に同意です.その労働条件への心配についても含めて.何しろこの面から公共図書館を論じる方々でも,業界の内側にいる連中は他業種への意識が絶無なのが通例ですが(実体験あり),あれほど自治労の強かった地域でさえ保育所でも幼稚園でも自治体直営が維持できなくなりつつある現状について,もう少し配慮してくれてもいいんじゃないかと,身内に臨時雇で働く保育士がいる僕は海よりも深ーく溜息をつくのでありました(sigh).

 結論めいたことを書きますと(既に何処かに書いたことの寄せ集めになりますが),図書館司書を専門職として採用することに首長と自治体と住民が魅力を感じない以上,現行の公務員制度の下で無能と腰掛けの吹き溜まりと化している自治体直営公共図書館よりは,指定管理者に業務委託した方が魅力的な(その地域にとって有益な)公共図書館が生まれる余地がまだしも大きい,と考えています.何がしか成果として数字を求める指定管理者と自治体には『市民の図書館』という,うってつけの素晴らしいマニュアルもありますからご参考まで.

« ショスタコーヴィチ/交響曲第7番 | トップページ | マーラー/交響曲第6番 »

図書館系」カテゴリの記事

コメント

コメントは非公開に変更しました.

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 公共図書館いるの? いらないの?:

» 図書館の中の人は出版不況怖くないんですか? [書評サイト Loud Minority]
今回は見たところ「公共図書館いるの? いらないの?」というところが本質で, 愚智提衡而立治之至也: 公共図書館いるの? いらないの? 同意。 「いらない」といつ [続きを読む]

« ショスタコーヴィチ/交響曲第7番 | トップページ | マーラー/交響曲第6番 »

UNIQLOCK

ついった

「愚智提衡而立治之至也」のはてなブックマーク注目エントリー

「愚智提衡而立治之至也」のはてなブックマーク人気エントリー

あわせて読みたい

  • あわせて読みたい

只今積読中

ココログ図書館ネタ