「貸し出し手続き確認装置」って訳すのか
東京新聞【“行方不明”書籍 2割に 『確認装置』導入で効果】
いえ,記事の中身は昔,僕もお世話になった宇都宮市立図書館で,BDSを入れたら紛失が急減したという,同業者としてご同慶の至りな話ですが,BDS(Book Detection System)の訳語が「貸し出し手続き確認装置」ですかあ.
誰が考えたのかは存じませんが,素晴らしい訳語です.何だか,如何にもZunft系の偽善者が喜びそうな訳語かな,と小躍りしたら何のことは無い,手元にある『図書館用語集』三訂版(日本図書館協会,2003年11月初版)にも「貸出手続確認装置」(269頁)ってありますた(-_-;).
知らなかったのは僕だけですかそうですか_| ̄|○ まだまだ修行が足りないようです.
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コメント
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さすがに「不心得者感知装置」とは言えないでしょうね。BDSを実力行使で突破して逃げた利用者がいたという話をどこぞの大学関係者から聞いたことがあります。
投稿: への | 2006/12/04 12:31
>>へのさん
僕はずっと「盗難防止装置」だと思ってました(^^;).「貸出手続確認装置」という名称ですと,疑われているのは,正規の貸出手続きを経て館外に本を持ち出すお客のような気がするのですが?
強行突破する利用者,いるみたいですよ>>BDS.ウチはこれから取り付けにかかります.
投稿: G.C.W. | 2006/12/04 21:04
以前doraさんは、「係員失念確認装置」だと聞き吹き出しました(^^;)
投稿: dora | 2006/12/04 21:51
強行突破、滅多にはいないですが一度だけ経験しました。装置から遠くにいたので捕獲できず、悔しい思いをしましたが…
前の図書館では普通に盗難防止装置と呼んでいましたよ。ただ盗難防止は装置の存在による抑止力の効果であって、実際に装置が鳴るのは誤作動や貸出作業ミスが圧倒的であることから、「貸し出し手続き確認装置」という呼び方は理解できなくはないです。来館者向けにはこのような呼び方の方が柔らかですしね。
投稿: tohru | 2006/12/04 22:31
にちは。初版や2訂版もみるといいかも
投稿: 書物奉行 | 2006/12/07 22:50
>>みなさま
コメントありがとうございますm(_)m 今回,「貸出手続確認装置」という言い回しに,直感的にPC(Political Correctness)の匂いをかいじゃったものですから,少々皮肉っぽい紹介になりました.この表現,来館者向けには穏当だとは思いますが,何だか釈然としないんですよね.東京新聞の記事に対するはてなブックマークでのコメントで
> 「利用者との信頼関係を取り戻せて」って、結局図書館は利用者を信頼できないからBDSなわけで。仕方ないけど。
というのがありましたが,この指摘に共感できるものが,何処かにあるのですね.
ウチもこれからBDS入れますが,いろいろあって出入口のバーを付けることが叶わなかったので,強行突破の懸念と隣り合わせになりそうです.
「図書館用語集」の古い版,あとで確認してみますねm(_)m
投稿: G.C.W. | 2006/12/08 19:59