円谷一
円谷英二の長男にして,TBSのディレクターや円谷プロの社長を歴任し,円谷プロの壊滅的財政を立て直してさあこれからというところで急逝した円谷一(1931-1973)の評伝.亡くなったとき,訃報が新聞に載ったことを僕も覚えている.当時,「円谷プロ」という名称は小学校低学年にも知られていたので,この訃報に吃驚した記憶がある.
この本は円谷一の息子ふたり(三男は取材前に死去)など関係者からの聞き書きを中心に構成されているが,編集が行き届いているためか大変読みやすい.慎重に避けられているところがあることを感じさせる箇所も無いではないが,近衛秀麿と異なり関係者が数多く存命中でもあり,止むを得ないところもあるのだろう.いや,円谷一とテレビ,円谷一と特撮,円谷一と円谷英二・円谷プロに関してこれだけよく書き込まれているのだから,著者の労苦を了とする.いい本である.円谷プロの歴史を知る上で,今後必須の文献のひとつとされることは間違いない.
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コメント
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しかし,自分で言うのも何ですが,褒めるの下手ですねえ(-_-;).
投稿: G.C.W | 2006/11/13 12:27