どっちもどっち
朝日新聞【市民団体の講演、市立図書館長が中断させる 大阪・和泉】
公共図書館業界では「関西圏の方が公共図書館に関係する人間の意識が高い」みたいな表現をするヒトが日図研,図問研関係者を中心に結構な数いるように僕には感じられますが,個々に見ればその意識にはかなりのバラつきがあるようです.いつぞやか司書有資格者による「いじめ」が明らかになったのも関西の公共図書館でしたっけ.もちろん,意識のバラつきは東西を問わず,同じ館内においても個々人それぞれのレベルは違うだろうし,また意識の高い職員がいるところでは問題が全く発生しない,ということも無いわけですが.
この件,館長の行為はあまり誉められたものではなく,改善の必要はあると思いますが,被害者(?)側の「検閲に当たる行為だ」との抗議も,記事を読む限りではいささか当を失しているんじゃないですかね.図書館施設の使用許可願に「地元の伝説や伝承の探究が目的」と届けているのでしょうから,そこでダム建設反対の講演を企画するのは筋が通らないと考えますが如何.
しかし,目的が尊ければ何をしても許される,という発想は何処かのZunftの構成員と発想が一緒ですね(^^;).
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コメント
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ご無沙汰しております>G.C.W.さん
貸館業務ではよく悪質商法対策で目的外利用の話が出てきますが、先般出席した会議で、県庁担当者が「こういうのは内容云々の前に、許可した目的と異なる行為をしているということで中止させなさい」と説明しておりました。そこで某館の指定管理者(民間)が「例えば本当に布団販売として許可申請してきたらどう対処するのだ、許可したら何十万で布団を売っていても目的外ではなくなるが?」という質問をしたところ、件の担当は「悪質業者は本当の目的では申請してきません」と答えてしまい会議は大紛糾(笑)…
それはともかく、今回の件はやはり許可した利用目的とは異なるという解釈で淡々と対応しなければいけなかったのでしょう。ただ、ダム反対集会で利用申請されたときには、図書館は不許可の合理的理由(反体制だからという本音では駄目なので、せいぜい騒動が起こることが予見されるため他の利用者に迷惑が掛かるから、ぐらいか)の説明が必要となり、そこで始めて内容云々を問題とするべきなのでしょうが。
投稿: tohru | 2006/10/09 14:59
>>tohru さん
こちらこそご無沙汰です.コメントどうもです.
件の担当者さんは少々正直が過ぎた(^^;)ようで,紛糾した会合に出席された皆さんはお疲れ様でしたm(_)m
今回の和泉の一件は,図書館側の対応が無問題だったとは言いませんが(もう少しやり様はあったですね),どうも市民団体のやり方に僕は違和感を感じてしまうのですね.正面から「ダム建設反対講演会」で断られたら,「畏れながら」と裁判所に仮処分申請でも出せばいいじゃないかと(^^;).
まあ,館長が怒鳴り込んだ(?)時点で,団体側の勝ちなんでしょう.朝日の記事もそんなトーンですしねえ.
投稿: G.C.W. | 2006/10/10 22:56