昭和大相撲騒動記
かの「春秋園事件」(昭和7年)を天龍三郎,出羽ヶ嶽文治郎,双葉山定次の3人を軸として,「相撲道改革」の視点からたどった書籍である.筆は境川(元横綱佐田の山)改革の挫折,貴乃花親方の「改革私案」にまで及ぶ.天龍三郎が目指した「相撲道改革」のうち,時津風(双葉山)のカリスマを以ってしてもその死によって頓挫した「親方株」と「相撲茶屋」の改革は未だ道半ばであるだけではなく,むしろ「聖域化」が進行しているのではないか,と著者は説く.同感である.
この著者,何処かで名前を見たことがあるな,と思ったら同じ平凡社新書の『銀座木村屋あんパン物語』の著者だった.『銀座木村屋あんパン物語』は内容が錯綜してわかりにくい叙述(資料が生煮えのまま提示されていた印象があった)だったのに比べて,こちらはさすがに手の内に入った練達の展開が楽しめる(^^;).
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