丸山眞男
実は『丸山眞男の時代』の方が『丸山眞男』より面白く読めたのは,僕の性癖のしからしむるところではあるかと(^^;).それは『丸山眞男』がつまらなかったことを意味するわけではなく,『丸山眞男の時代』の方が記述する対象に対して批判的であることを意味しているに過ぎないと思います.たまたま僕は『丸山眞男の時代』を先に読んでしまったけど,興味のあるひとは『丸山眞男』を先に読むことをお薦めします.『丸山眞男』を読んだだけでは「なるほど」で済んだことが,次に『丸山眞男の時代』を読むと「なるほど,しかし」や「なるほど,それで」になるかもしれませんから.
とにかく,日本における「近代」あるいは「近代化」の流れということを考えるとき,丸山眞男の思考は(いまでは幾分,限定や留保が付くのは止むを得ないとは言え)大変に示唆に富むものであり,その断片でも残照でも多少なりとも押さえておかなければならないものだろうということを,この二冊の本に確認させられました.何しろ僕は,『フルトヴェングラー』の鼎談で始めて,丸山眞男の謦咳に接したという不勉強な輩ですので,これ以上のことは言えそうにもありません.
脇 圭平著 / 芦津 丈夫著
岩波書店 (1984.11)
この本は現在お取り扱いできません。
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