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2006/09/29

報道の自由,報道の倫理

山形新聞【実名・匿名どう判断-山形でマスコミ倫理懇

 以前「新聞研究」を自費で購読していた僕は,古臭い陰謀史観をとるのならともかく,報道の自由であるとか報道の倫理であるとか,図書館業界はもう少し注意を払う必要があります,と随分前から折を見てつぶやいてきたのですが賛同者も無く,影響力は0だったようです(-o-)/
 僕のことはともかくも,今次の「マスコミ倫理懇談会全国大会」では,かの徳山高専女子学生殺人事件が取り上げられていることくらいは,図書館業界も押さえておきましょうや.

 以下2006年10月1日追記.

 しかし,何かしら報道があるとすぐに「マスコミは」とか「マスゴミは」とか言うひとは少なくないけど,正直なところ需要の無いところに供給は存在しないと思うのですよね.公共図書館業界における貸出至上主義も同じことですけど,数字を伸ばすため常に意識しているのは「多数派」でしょう.マスコミの「過剰報道」が成立する事情と,公共図書館において「貸出至上主義」が成立する事情は,その双方の存立しうる土台にあるのは需要の側にある同じ意識の有り様なんじゃないですか.ターゲットとしての「多数派」を見誤っているのではないか,という批判は成立するだろうけど,需要の問題を棚上げして供給側の意識のみを問題にしたところで,解決しうることは限られていると思いますね.

 「週刊新潮」の記事を待ち望んでいる購読者層というのは,確実に存在しているわけでしょう.その購読者層に対して「マスコミが」「マスゴミが」と公共図書館業界が閲覧制限をかけたとしたら,それが相手に響くほど世の中は甘くないですよ.

 貸出至上主義について言えば,貸出至上主義がある程度まで公共図書館の意義を知らしめたおかげで明らかに需要の側の意識は変わってきているのに,それを意識的なのか無意識なのかはともかく,なおも貸出至上主義を信仰して意識の変化を「無かったこと」「一部のひとのこと」にしているクランの存在が,結局は業界を破滅させようとしているわけですね.

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