「みんなの図書館」10月号
まあ,恫喝に屈する義務は感じていません(^^;)ので,話題にしますよ.
「みんなの図書館」2006年10月号(通巻354号)は特集「地域に役立つ図書館政策とは」.特集は鳥取,新居浜,萩,若宮における活動に関する4つの論考が収められていますが,それぞれ充実した内容です.また,連載記事もそれぞれ考えさせる内容を含んでいます.これだけなら,なかなか出色の編集だと思ったのですが・・・・・・.
問題は某同人誌からの転載だという「つくられた「現実」,虚像としての民営化」(田井郁久雄)なる文章.内容も酷いもの(議論ではなく願望もしくは呪詛でしょう,これは)ですが,そもそも転載に至った経緯が明記されていないところに,編集部(今回は関西編集部の編集号)の甘さを感じるわけです.過去に伊藤昭治が浦安市立図書館を批判した文章が転載されたときでも,確か転載に至った経緯が何らかの形でわかるように同じ号の中に記載されていたと記憶しています.今回の,広く業界を超えて訴える内容の特集を組める,同じ編集部がやったこととも思えませんが.
特集に掲載されたある記事を否定しかねない論述さえある,この文章をこの号の真ん中に載せる必要が果たしてあったのかどうか,少々疑問無しとしません.某同人誌が多くのひとの目に触れるような性質のものではないようなので,広くこの文章を世に知らしめたい,ということだったのでしょうが,ちょっと編集に一貫性が欠けているような気がしました.
なお,田井氏の文章では山中湖情報創造館が激烈に非難されていますので,山中湖情報創造館は田井氏に対する反論を「みんなの図書館」誌上に掲載してもらえる権利があると思いますよ(参考:『ニュースキャスター』田草川弘著).ご検討ください.
« 日常(2006年9月28日) | トップページ | 報道の自由,報道の倫理 »
「図書館系」カテゴリの記事
- 小手調べ(2009.03.15)
- 「土佐派」の裏切り(^^;)(2009.03.07)
- 同床異夢(2009.03.02)
- 官尊民卑に弄ばれる「図書館の自由」(2009.02.15)
- レファレンス再考:インフォメーションとインテリジェンス(2009.02.14)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント