ブラームス/交響曲第1番
ブラームス/交響曲第1番ハ短調作品68@オットー・クレンペラー/フィルハーモニア管絃楽団(EMI:7 69651 2)
ブラームスの第1番の録音では,ベーム/ベルリン・フィル(DG)とともに屈指の名演.
「オットー・クレンペラーは若い時はこのドイツ楽派の典型的な存在だったし,晩年にいたっては,その原型というべきものになった」
(ハロルド・C・ショーンバーグ『偉大な指揮者たち』より.ただし引用文は吉田秀和『世界の指揮者』新潮文庫版69頁による)
この録音は1956年から57年,クレンペラーが70歳を過ぎてからのものだが,クレンペラーには1928年,42歳のときにベルリン国立歌劇場のオケと録音したブラームスの第1番(パルロフォン,CDはコッホとアルキフォンから出ている)がある.かのクロール・オペラで現代音楽の過激な擁護者として活躍していた頃の録音だが,幾分詰めが甘いものの,フィルハーモニアのものと同様,「古典としてのブラームス」的な雰囲気を醸し出していることに驚かされる.コッホのCD(3-7053-2 HI)にはクルト・ヴァイルの「三文オペラ」小組曲からの抜粋が併録されているが,これがまた驚くほどにヴァイマール共和国当時の香りを伝えてくれる(ように聴こえる)のとは好対照なのである.
そこで冒頭の引用になるわけだが(^^;).
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