1997年当時の日図協の見解
これも【愚智提衡而立治之至也: 大義,親を滅ぼす】の続きです.
matsuさんから頂いたコメントを読んで思い出しました.神戸の連続児童殺傷事件(1997年)のとき,日本図書館協会は「『フォーカス』(1997.7.9号)の少年法第61条に係わる記事の取り扱いについて(見解)」という文書を出していたのですね.これもすっかり忘れていました.記憶力が落ちてますぞ>>自分.
この見解,web上では探し出すことが出来ず,どうしたものかと思っていたところ,以前自分でこの件に関する文章を書こうと思って資料集めをしていたことを思い出し,本棚を探したら付箋を付けた「図書館雑誌」91巻8号(1997年8月)を見つけました.その581pに全文が掲載されています.matsuさんご指摘のとおり,今回の公共図書館の対応を考える上で重要な文書ですが,日図協のサイトには2000年以前の見解は掲載されていないようですし,web上の他の場所にも見当たらないようですので,以下に全文を転載してみます.
とここまで打ち込んだ直後,matsuさんの次のコメントでweb上に見解のある日図協図書館の自由に関する調査委員会のページをご教示いただきました.ありがとうございます.
『フォーカス』(1997.7.9号)の少年法第61条に係わる記事の取り扱いについて(見解)
社団法人日本図書館協会
平成9年7月4日1.写真週刊誌『フォーカス』(1997.7.9号)掲載の,14歳の殺人罪等容疑者の正面顔写真は,少年の保護・更正をはかる少年法第61条に抵触する可能性が高い.
2.すべての図書館資料は,原則として国民の自由な利用に供されるべきであるが,上記の表現は,提供の自由が制限されることがあるとする「図書館の自由に関する宣言」第2-1-(1)「人権またはプライバシーを侵害するもの」に該当すると考えられる.
3.この対応にあたっては,「宣言」第2-2(資料を保存する責任)に留意する.当該誌の損壊・紛失等のないよう配慮が必要である.また,受入・保存を差し控えるような対応或いは原資料に図書館が手を加えることについては,首肯しがたい.
4.『週刊新潮』についても上記に準じるものと考える.
5.各図書館におかれては,以上を踏まえての対応をお願いする.
折角ですのでこの転載は残しておきます.
(時間切れにつき,この稿未完)
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