岸信介
ふと気がついたらこの本の帯に「アンコール復刊」と書いてある(^^;).1995年初版の本を「アンコール復刊」とは,出版業界も余裕が無いのかしらん?
それはさておき,今をときめく安倍晋三の母方の祖父,戦前は革新官僚の出世頭にして,戦後は自民党復古派の領袖にして最晩年まで隠然たる影響力を保持した大物政治家の評伝である.なるほど孫が改憲改憲と錦の御旗を立てたがる理由の一端はわかったような気がする.数日前の毎日新聞で後藤田正晴が生前,何やら安倍に吹き込んだ佐々淳行に「岸の影響力を馬鹿にしてはいけない」と釘を刺したという記事が掲載されていたが,むべなるかなというところ.
そして戦前の,精密機械のような統制派・革新官僚としての切れ者ぶり.個人的には戦後の岸よりも戦前の活動の方が興味津々(^^;)だったりするのだが,とても一筋縄ではいかない人物を,よくも新書という限られたスペースに盛り込みきった,そんな本である.
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