パターナリズム万歳\(^o^)/
岩手日報【節約図書館、蔵書は寄贈 矢祭町、運営に懸念も】
久し振りの矢祭町ネタ.この記事,共同通信社の配信なので東京新聞や京都新聞にも掲載されていましたが.とうとう図問研が引っ張り出されましたか(^^;).
このコメントに対して,僕よりも先にtohruさんが痛烈な批判を書いていますが,全くその通りだと思います.僕も以前「プロ公共図書館員たちはこの国の住民の「民度」,自分たちが育ててきた公共図書館利用者の「民度」をどうやら,かなり低く見積もっていたんじゃないでしょうか」と書きましたが,まさにそれがこのコメントによって実証されたようなものです.
“節約図書館”は関係者に波紋を広げている。司書らでつくる図書館問題研究会の西河内靖泰副委員長(51)は「図書館の存在意義は建物よりも蔵書・資料にある。数さえそろっていればいいというものではない。住民ニーズを踏まえた収集方針が先にあるべきだ」と話す。
やっぱり,図問研の発想の根底はパターナリズムなんですよ.それ故,住民が直接選書にあたれる「選書ツアー」には職員の判断が制限されるから反対,寄贈のみによる蔵書の構築も職員の介在が認められないから反対,という図式.住民がプロ公共図書館員の発想の枠を超えて公共図書館について意見したり行動したりするのが余程嫌いなんでしょう.度し難い選民思想と「結果の平等」を求めるパターナリズムの交雑の結果なのでしょうね.
しかし,既に18万冊(!)が集まったのですか.そう言えば以前リンク集を作成したときに僕が,集まっている冊数を以って矢祭町が正しいことをしている,と主張したかの如き批判がありましたが(挙句に「ある種のネットにおける主張の表出の方法の典型」などという嫌味を言われるわけですが),表面に出ている冊数もさることながら,これだけの志が陸続と集まっていることの重みを僕としては考えて欲しいのですね.
繰り返しになりますが,何故かなりの数の住民(矢祭町在住者だけではなく他の地方在住も含めた)が矢祭町のやり方に好意を寄せているのか,プロ公共図書館員はもう少し冷静に考察してみては如何ですか?
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