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« ベートーヴェン/交響曲第7番 | トップページ | 日常(2006年7月27日) »

2006/07/27

大胆

 毎日新聞【福島・矢祭町:新設図書館の本、寄贈呼び掛け】【矢祭町図書館:準備委が発足 42人が寄贈本整理 /福島

 仔細があって遅くなりましたが,この話.
 当然のことながら,得宗専制を良しとする「御内人の論理」で矢祭町を批判するつもりは全くありません.が,正直なところ,矢祭町が打ち出した方針の当否は5年くらい我慢して様子を見ないとわからない,というのが僕の本音です.大都会ならまだしも,この方法が矢祭町のような過疎の町で成功するかどうか,と問われれば,「公共図書館」に対するグラウンドデザインを描ける人材が矢祭町にいれば上手くいくかもしれませんよ,答えましょうか(^^;).

 この件についてネットをあちこちのぞいてみると,あくまでも個人的な印象ですが,必ずしも否定的な紹介ばかりではないように見えます.「合併しない町」のイメージ戦略が功を奏している面も確かにあるのでしょう.NPOが書籍の寄贈を募って「公共図書館」的な施設を運営する試みなら,ふなばし駅前図書館をはじめとして,幾つか立ち上がっているわけですし,寄贈で蔵書を構築する発想そのものは,今や頭ごなしに全否定するような発想でもありますまい.上で紹介した記事のうち後者を読む限り,住民の協力もボランティア(これがまた非難の対象になるのでしょうが)とはいえ得られているわけです.専門家の助言も無いまま,大金を投じて記念碑的建造物を建て,どこぞの書店から言いなりで「面のいい本」ばかり並べて当局が悦に入っている公共図書館を建てられるよりは,余程マシではないですか.

 矢祭町が全面的に蔵書を寄贈で賄わなければならなくなった現下の政治・財政の状況を考えると,都会に住んで公共図書館の恩恵を享受している方々には,矢祭町への非難よりも,むしろ蔵書購入の原資とするための現金の寄付や,蔵書としてもらうための書籍の寄贈をまずは考えていただいた方が,いろいろな意味で建設的な基盤整備に資することが可能なのではないかと愚考しておりますが如何.

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