ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第4番
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第4番ト長調作品58@エドウィン・フィッシャー(指揮&ピアノ)/フィルハーモニア管絃楽団(EMI/新星堂:SGR-7109)
フィッシャー(1886-1960)は独墺音楽のスペシャリストとして鳴らした大ピアニスト.いわゆる「弾き振り」を復活させたピアニストでもあり,ハイドンの交響曲録音も残している.ピアノをガンガン鳴らしてバリバリと大曲を征服するわけではないため,技巧の弱さが指摘されることもあるが,コルトーのように破綻の美学を聴かせるタイプではなく,一見訥々とした弾きぶりに汲めども尽きぬ深い精神性と音楽性を籠めた演奏を残した.
この第4番は,まさにフィッシャーの精神性と音楽性の見本を聴かせる録音.ベートーヴェンの音楽を分析するのではなく,慈しみ大切に丁寧に扱う姿勢に聴くべきものがある.
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