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2006/06/18

ルビコンを渡るか,図問研

 「みんなの図書館」2006年7月号(No.351)は島根県斐川町で行われる図書館問題研究会第53回全国大会の特集.数年前には玉造温泉にてSF大会も開催されたし,出雲のあのあたりは時ならぬコンヴェンションブームであるか(^^;).

 さて「みんなの図書館」には例の如く「重要討議課題」が掲載されているわけだが,今号のそれを一読して驚いた(-o-)/.「貸出し」にはほとんど触れることなく,レファレンスサービスに紙面を大きく割き,課題解決型サービスの担い手としての公共図書館,というこれまで図問研が(組織としては)見向きもしなかった機能を前面に押し出して,指定管理者委託をはじめとする「市場化」に反対する「重要討議課題」なのである.

 ついに図問研は貸出至上主義の使徒日本図書館研究会読書調査研究グループの「お導き」と決別し,貸出至上主義とは一線を画する気になったのか.
 何しろ,


(前略)成人を対象とした課題解決型のサービスへの取り組みが全国で始まっている.地域社会の振興と図書館の存続をかけて,普段図書館を利用しない人々にも図書館をアピールしていく必要に迫られているからである.(「みんなの図書館」7月号p2-3,以下引用は特に断りの無い限り同誌から)
という,外側から見ればしごく当然でありながら,図問研では絶えて見られなかった現状認識が表明されているのである! 
 さらに現物貸借の送料負担に関する批判的な文脈での説明には,

リクエストが少ない,利用そのものが少ないと図書館員に判断された資料は,もともと図書館で備える必要のなかったものとして利用者を納得させやすく,その手数料を求めやすい.(4p)
とも書いている.図問研執行部に何か起こったんだろうか?

 驚きはこれにとどまらない.5pでは「ロングテールの法則」を引き合いに出し,インターネット書店の売り上げと公共図書館のサービスにおける類似点を説明し,公共図書館員に意識改革を迫ってさえいるのである.

 まさか僕と同じ意識を共有しているわけではないのだろうが,今回の「重要討議課題」では貸出至上主義による資料の市場化の弊害を指摘している箇所もある.曰く,


棚にほとんどない資料についてはリクエストも出にくい(ニーズが顕在化しにくい),という傾向も踏まえておく必要がある.(中略)こうした「言い訳」は,もう止めにしてはどうか.
(18p)
このような指摘が図問研から出て来ること自体が,僕には奇跡のように思える(失礼).

 奇跡と言えば,少々及び腰とは言え前川恒雄への批判(17p)が出現したことこそ特筆しなければなるまい.まさか図問研が,「○○支援」について以前僕が書いたことと似たことを「みんなの図書館」に載せるとは思いもよらなんだ(^^;).

 今号に掲載された「重要討議課題」によって,少なくとも「貸出至上主義」との訣別という賽を投げようと思っているヒトが図問研にいることは確かだろう.今次の全国大会で図問研はルビコン河を渡れるだろうか?


 もちろん,旧来からの図問研の主張も教育基本法の改正反対(p6-9)であるとか,公共図書館の運営形態の市場化反対(p9-13)であるとか,きちんと取り上げている.しかし,教育基本法はともかく公共図書館の市場化については,「③図書館の市場化の動きに反対する」に列挙されている反対意見において,いちいち列挙しないが「ためにする」反対意見ばかりが目に付き,公務員以外の市民からみるといささか不見識の謗りを免れないと思われる箇所が目に付く.「公共図書館の市場化」とは,何よりまず貸出至上主義による,公共図書館が収集している資料の消費財化を指摘しなければならない,と考える僕のような立場からは,公共図書館の運営形態をことさら取り上げて「市場化」をあげつらっている場合では無いと思われる.
 図問研大阪支部のように,「油断はできない」(49p)と公務員直営堅持の姿勢を露わにするのも結構だが,そこにしがみついているだけでは,昨今の地方自治体への厳しい市民の目はどうにもならないのではないか.特に大阪の場合は産経新聞が目のカタキにしているし(^^;).

 旧来からの姿勢の堅持といえば「4.図書館の自由」であるか.「われわれ図書館界に仕掛けられた不当な一部マスコミの報道に対し」(25p)って,いったい何時の時代の文章ですか(^^;).70年安保の頃ならまだしも,このような陰謀史観まがいの文言は失笑をかうだけで,問題の解決には何の役にも立ちませんよ.

 ところで「気づき」という言葉を使っている箇所があるが(13p),いつから公共図書館は初等・中等教育施設になったのか(^^;).利用者には成人もいることをお忘れなく.

 全体としてはよく出来た文章だと思う.少なくとも昨年の「と」な箇所のある重要討議課題(参考:愚智提衡而立治之至也: 「みんなの図書館」2005年7月号)が比べるのも気の毒なくらいレベルの低いものだったのに比すれば,余程マシと言うべきであろう(^^;).
 この芽を摘む奴は,誰だ?

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