「23区図書館業務委託アンケート」分析と評価(概要)
【東京の図書館をもっとよくする会: 「23区図書館業務委託アンケート」分析と評価(概要)】
自らが集計したアンケートの結果と内容を,ほとんど分析も評価もしていない,不思議な「分析と評価」(^^;).アンケートの結果は話の枕ですらない.最初から言いたいこと(言うべきこと)が決まっているのなら,何故無駄な労力をかけ,他人の時間を奪うようなことをするのか,よくわからない.
それにしても,この「分析と評価」の何が僕を苛立たせるのか,いろいろ考えてみたら思い当たった.この記事の筆者の姿勢が,徹頭徹尾「官は民の被害者」という視点で貫かれていることに,僕は苛立っているのですよ.つまり,この記事は「民が不当に官の領域に容喙してきている,しかも民は官から不当に予算をむさぼり吸っている」という視点から書かれているわけだ.この視点で公共図書館の委託を廻る状況を分析しようとしたら,確かにアンケートなど取る意味は無い(^^;).最初から結論ありきなんだから.
僕から見ると,「偽装請負委託」ひとつとっても,むしろ「民は官の犠牲者」なんじゃないか,と言わざるを得ない.結局のところ民は,官の都合であれもダメ,これもダメと言われているに過ぎないのだから.自分たちが勝手に作った法令を自分たちが使いこなせないことまで,民の責任にされるのではたまったものではないわ(^^;).
記事では「ピンハネ」という,「ガセネタ」もかくやと言うキツイ表現で委託業者を非難しているけど,果たして委託業者が引けないのは「もうかるから」だけなのか.僕には「公共事業頼みの地域経済になってしまった北海道」と同じ「すべてかゼロか」的な構造が,委託を廻る「官と民」の関係にはあるような話も漏れ聞こえて来るのだが.
労は了とするが結果的に,拙劣なプロパガンダに堕しているのを惜しむ.もう少し真っ当な「分析と評価」が可能だし,必要だろうと思うが如何.
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コメント
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「こういうアンケートをどう思いますか?」っていう設問があれば良かったのに。
投稿: への | 2006/04/18 12:41
>>へのさん
あははは(^^;).
まったく,自分の立ち位置をこれっぽっちも疑ってないヒトは強いですよ.何しろテレビ局に押しかけた当日「今日の放送を中止しろ」って迫れるくらい,一般常識の無い方ですから,あの分析の文責があると思しき方は.
投稿: G.C.W. | 2006/04/18 21:43