チャイコフスキー/交響曲第5番
チャイコフスキー/交響曲第5番ホ短調作品64@セルジュ・チェリビダッケ/ミュンヘン・フィル(EMI:5 56522 2)
正味57分強,という微速漸進主義の恐ろしく粘着質な演奏.ブルックナーの場合はミュンヘンに来てから演奏がさらに遅くなったが,チャイコフスキーはシュトゥットガルト放送響の頃からこの程度にはテンポが遅かった.NHK-FMで放送されたシュトゥットガルトとのチャイコフスキーの演奏(確か第5番)も55,6分かかっていたと記憶する.
で,僕はあるとき柴田南雄がチェリビダッケを評論した一文を読んで以来(もう30年近く前のこと),チェリビダッケの流儀はあまり好きではないのだが,録音嫌いのチェリビダッケの死後,ミュンヘン・フィルを指揮した一連の録音が正規に発売され,チャイコフスキーの第5番とシューベルトのD.944の録音が世に出たことは,この2曲のとっても僥倖であったし,僕のチェリビダッケ観に若干の修正を迫るものでもあった.チェリビダッケのブルックナーがダメな方でも,この2曲の録音は聴いたほうがいい.
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