ヘンデル/メサイア
ヘンデル/オラトリオ〈メサイア〉@トーマス・ビーチャム/ロイヤル・フィル(BMG:09026-61266-2)
1959年録音.かのユージン・グーセンス編曲版〈メサイア〉の怪演(^^;)である.グーセンス(1893-1962)はイギリスの指揮者で作曲もしたひと.第二次世界大戦前後に結構な量の録音を残し「サー」の称号まで貰っている.60歳を過ぎてスキャンダル(オーストラリアからの帰路,ヒースロー空港の税関でポルノ雑誌(^^;)を持ち込もうとしたのが発覚)で逼塞する羽目に陥ったのを友人のビーチャムが気の毒に思ったのか,この編曲を依頼したという話がある.
とにかく派手にモダン・オケを鳴らした壮麗な編曲.特に語り草になっているのが第2部の終曲,言わずと知れた「ハレルヤ・コーラス」で,古楽で聴きなれたひとが聴いたら笑い出すか,のけぞること請け合い(^^;).ビーチャムのテンポにも独特のものがあり,大時代なリタルダンドが聴かれる一方,意外な曲が快速に運ばれたりする.
なお,この録音はLP当時から,8曲ばかりが全曲に含まれず,最後に一括して補遺(Appendix)として収録されている.僕はこの補遺を,全曲のしかるべき場所に復元して聴いているけど,補遺にこれらの曲が回されたのはどういう理由からなんだろう.
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