シューベルト/グランド・デュオ
シューベルト/4手ピアノのためのソナタ ハ長調D.812“グランド・デュオ”@ヤーラ・タール&アンドレアス・グロートホイゼン(SONY:SRCR 1677-1678)
シューベルトは生涯に35曲ほどの4手ピアノ曲を書いているそうだ.D.1を付されている幻想曲ト短調(13歳のときの作品)から亡くなる年に書かれたイ短調のアレグロ“人生の嵐”D.947やロンド・イ長調D.951まで,ほぼ毎年4手ピアノ曲を書き続けた.中でもこのソナタD.812は演奏に約40分かかる大作であり,4手ピアノ曲としてはまず傑作の部類に入るのではないか,と僕は思う.音楽之友社から出版されている「作曲家別名曲解説ライブラリー」の『シューベルト』に,この作品が収録されていないのは間違っている(^^;)んじゃないか.
その規模ゆえに交響曲の草稿ではないか,という疑いをかけられ,これこそ失われた“グムンデン・ガシュタイン交響曲”D.849であるという説まで出る始末(^^;).ついにはヴァイオリニストのヨーゼフ・ヨアヒムがこの曲をオーケストレーションした版まで登場した.クラウディオ・アバドがヨアヒム版を録音しているが,原曲を聴きヨアヒム版を聴いてみると,素人の耳にも明らかにピアノを前提とした趣向がこの作品には施されているのが聴き取れる,と思うのだが.
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