「性善説」の限界
神戸新聞【高額本盗難、播磨で多発 図書館 防犯に限界】
個人的には産経新聞や読売新聞が推奨するようなムラ的な監視社会を今更公共図書館に導入するのは真っ平御免,と言いたいのだが,残念ながら最早「利用者と『私たちの図書館』という信頼関係を築くのが大切」という,利用者に対する「性善説」で物事の是非を判断するには,いささか危険な水域に達しているのではないですか(sigh).
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コメント
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図書館から本が盗まれている話題が出る度に出版業界が「古本屋のせいで換金目的の万引きが激増している」と騒ぎ立てていることを思い出すのですけれど、出版業界的には古本屋と同様に「出版業界の敵」である図書館から本が盗まれるのは「ざまあみろ」と見られているようでなんだかなぁ、と思わずにはいられません。
何より、スーパーやコンビニの窃盗被害も本屋のそれと同じように上昇していることから考えるに家庭内の「しつけ」がおろそかにされていることの方がよっぽど問題解決を図るうえで重要である気がすれど、とにかくスケープゴートを叩いて憂さ晴らしをする安直な発想でしか物事が語られない状況は危機的であると言わざるを得ません。
投稿: 謎工 | 2005/12/05 20:39
>>謎工さん
責任は常に他者にあり,というわけですね.昨今の耐震数値偽造疑惑の如く.まあ,それは残念ながら図書館業界も同じ傾向にある,と言わざるをえません.本来,公共図書館の運動論がとっくの昔に破綻した責任を負わなければならない連中が,却って業界の最大手団体の中枢に居座っているのが現状ですから.
この人材不足も深刻です(sigh).
投稿: G.C.W. | 2005/12/06 21:56