「ず・ぼん」11
「ず・ぼん」11(ポット出版/2005年11月初版/本体2000円)届く.特集は期待したほどでも無し.特に「船橋西図書館の蔵書廃棄事件」は,肝心の座談会が9月の最高裁判決より前に行われていて,今となっては気の抜けたビールみたいなものになってしまっているのが痛い.この事件そのものが,結局「最終的な原因は不明」な感じで自治体も日図協も報告しているものであり,安易な断罪とラベリングで済ませるならばともかく,背景等を論じる際には推定の上に推定を重ねなければならず,議論が隔靴掻痒に陥ってしまうのは止むを得ないこととはいえ,向後のためにはもう少し議論のための材料が欲しいところ.
特集よりもTRC(図書館流通センター)代表取締役兼会長・石井昭氏へのインタビュー「図書館をサポートする仕事」が面白いこと請け合い(^^;).「今の司書課程の教育内容が古い」(32頁)など耳の痛い話も沢山.名言をひとつ引いておく.
「パブリックのサービスは,民間がどうやっても儲からない,しかし必要だというのが本質であって,補助金を積みこまなければ儲からないような,第三セクターの地方鉄道をつくるのはもってのほかです.そんなものは税金で官がさっさとやればいいんです.」(27頁)
これまた耳に痛い,末廣さんの「書籍雑誌への貸与権の適用と図書館」ともども業界関係者は心して読むように.
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