読了本
『ベースボールと陸蒸気:日本で最初にカーブを投げた男・平岡凞』(鈴木康充,酒井堅次著/小学館文庫571/小学館/2005年4月初版/本体571円),『城の中』(入江相政著/中公文庫限定復刊/中央公論新社/2004年10月改版/本体1333円)読了.
平岡凞(1856-1934)は幕臣の子として生まれ,USA留学から帰国後に鉄道技師として草創期の国鉄で働く傍ら,日本で最初の野球チーム「新橋アスレチックス」を立ち上げ野球を日本に普及させ,後には自ら会社を起こしそれは後の汽車製造株式会社に発展する.更には親譲りの歌舞音曲の才能を発揮して三味線の一派を起こしたり,江戸小物の大コレクション(惜しくも関東大震災で焼失)を集めたり.八方破れのようでありながら,不思議に締めくくりがきちんとついている,人生の天才とも言えそうな人物である.吃驚したのは,『福沢諭吉の真実』(平山洋著)にて福沢諭吉が時事新報の記者として信頼していたひとりとして挙げている箒庵高橋義雄(時事新報を5年で退社した後は実業界に転じ,王子製紙専務などを務め,これまた数寄者として後半生を送る)が平岡の娘婿になっていたこと.全く,明治のヒトは何処でどのようにつながっているかわからない.
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