知識・知恵・読解を尊重する伝統と図書館の整備
もうひとつ,南さんからご教示いただいた記事.
読売新聞【フィンランド報告(7) 天然資源は「木と頭」 : 教育ルネサンス】
「経済協力開発機構(OECD)の国際学習到達度調査で好成績を収めた最大の理由は」という問いにフィンランド教育省の事務次官氏は
(前略)私は図書館の整備を挙げたい。国民1人が図書館で借りる本は年間21冊で世界一だ。幼いうちに、図書館の使い方を親が教えるという習慣も根づいている。我が国には知識、知恵、読解を尊重する伝統がある。
と答えている.貸出冊数もさることながら,自学自習を援助するための図書館,という役割が定着しているということだと,G.C.W.氏は考えます.
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» 図書館振興の追い風記事をば・・・ [Library & Copyright]
これはすでにG.C.W氏のウェブログにて紹介されていたものですが、図書館振興にと [続きを読む]
G.C.W 様
こちらも取り上げていただき、ありがとうございます!
図書館の整備が学力向上に役立つということを教育次官が言っているのですから(しかも日本で「要因」とされている2つのもの[例えば教員資格が修士卒など]よりも強調されています)、図書館の必要性を訴えるためのよい材料となることは間違いないな、と思い、各方面に紹介しています。(もちろんJLAにも。メルマガのトップで取り上げられてもよいと思っています)
それでは、また何かありましたら情報提供します!
投稿: 南亮一@国立国会図書館 | 2005/04/02 07:39
>>南亮一@国立国会図書館さん
いろいろありがとうございます.
日本の場合ですと,小学生の頃までは公共図書館に来る子供が中学・高校と成長するにしたがってだんだん来なくなる,なんて話が経験則として語られているようです.これってつまるところ,公共図書館が「本を借りるところ」としか思われていないからなんでしょう,やっぱり.たまには図書館職員に軽めの人生相談(^^;)をしている中高生の話も聞かない訳ではありませんが,そーゆう人間関係方面の話は図書館の役割とか機能とかのそれとは,また別かもしれませんね.
フィンランドでは,「本を借りるところ」に加えて「何かを考えるための道具」としても図書館が機能している,ということになるのだと思います.日本で政治家から市井のヒトに至るまで足りないように見えるのは,一にも二にも「図書館を使う経験」かもしれないです.
投稿: G.C.W. | 2005/04/02 21:48
>日本で政治家から市井のヒトに至るまで足りないように見えるのは,一にも二にも「図書館を使う経験」かもしれないです.
このご見解に賛同します!
「図書館を使う経験」の第一歩は、学校図書館での経験だと思います。私のような、学校時代にほとんど「受験室」代わりにしか使わなかったような人間(・・・すみません)を拡大再生産しないためにも、学校図書館を拡充し、そして、専任の司書さんを配置し、図書館がいかに「使える施設」であるかを体で覚えられるような体制づくりが必要なのではないでしょうか。
何しろフィンランドでは、「幼いうちに、図書館の使い方を親が教えるという習慣」があるらしいのですから・・・図書館の使い方を幼い我が子に教えられる親が日本でどれくらいいるのでしょうか・・・(「本を借りるところだよ」と教える親は沢山いそうですが・・・トホホ)
投稿: 南亮一@国立国会図書館 | 2005/04/04 12:58